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関川村の秘めたパワー「田舎力」を世界に発信!      「Sparkle」編集者 川崎パトリシアさん

関川村の秘めたパワー「田舎力」を世界に発信!      「Sparkle」編集者 川崎パトリシアさん 「Sparkle」は、全編英語で書かれた関川村を案内する情報誌だ。企画、編集を行ったのは、川崎パトリシアさん。アメリカ生まれで、日本に来てから20年、関川村に暮らして10年が経った。現在、3冊目まで発行されており、国内外で読まれている。本書を作成するまでの経緯や、関川村への想いについてパトリシアさんに伺った。

パトリシアさんが、日本に興味を持ったきっかけはマンガだ。マンガから受ける日本の印象と、それまで持っていた日本の印象の違いに大変衝撃を受けたという。本当の日本を知りたいと思い、アメリカの大学で日本の歴史や文化を学んだ。日本語も上達し、周りのすすめもあって、最初の日本留学を果たした。関東の学校で約1年日本語を学び、一旦帰国したが、ストーリーマンガを学びたいという想いが芽生え、京都の大学へ再び留学することを決めた。幼少期より物語を読んだり見たりすることが好きで、いつか自分も物語を伝えたい、特に絵の力をもって物語を伝える技術を学びたいという夢があったからだ。

その後、結婚を機に新潟へ移住し、関川村に住むことになったが、特に不安はなかったという。自然と調和した生活を目指すご主人の考えに賛成だったし、京都で学んだことを活かし、物語を伝えたいという夢は、関川村に移住しても叶えられると思っていた。
しかし、実際には日々の生活に追われ、自分が嫌になる時期があったそうだ。夢も叶えられず、葛藤していた。そんな時、関川村の仲間や近所の方の優しさ、美しい自然が支えとなって、次第に自分を肯定できるようになっていったという。「この村が好きだ。村のために何かできることはないか」と感じ、関川村の魅力を発信することで村に貢献したいと考えた。

関川村には「田舎力」があるという。これは、自然が親しみも威厳も持ったいい距離感にあって、その魅力を力に変えて活動している人がいる、そんな田舎のパワーを表現した言葉だ。
村外の人にはもちろん、村内の人にも関川村の「田舎力」に気づいて欲しいという想いを込めて、「Sparkle」を作成することを決めた。全編英語で書いたのは、関川村の魅力は海外にも通用すると確信していたからだ。そして、パトリシアさんにとって、この活動は物語を伝えたいという学生時代からの夢を叶えることでもあった。

「Sparkle」の内容は、景色、歴史や伝説、食べ物、健康、楽しみの5つのカテゴリーに分かれている。中学生のボランティアとともに村内の様々な人や場所を取材し、記事を書きあげている。
1冊目の発行後、反響はとても大きかったそうだ。毎月出して欲しい、次はこんな場所を取材したらどうか、と意見が届き、メディアにも多数取り上げられた。60代、70代の方からは、子どもの頃の風景や思い出を「Sparkle」に見出すことができたという感想も多く寄せられたという。パトリシアさんのアメリカの母校でも読まれているし、友人の紹介があって、フロリダ州の日本文化を学ぶ施設でも教材として使われている。

活動を通して、パトリシアさん自身にも大きな変化があったという。「自分に自信がついたかな。助けてもらうことはありがたいけど、一方的にお世話になるって実は居心地が悪い。自分にもできることがある、それは生きがいだし、人からありがとうと言ってもらえることを見つけられたことを幸せだと感じている。」

「Sparkle」は現在、4冊目を制作中だが、実はこの発行を最後に、一旦制作を休止することとなっている。今、パトリシアさんが課題だと感じている、「若者が地元・関川村に誇りを持ち、そして帰ってきて活躍できる場所をつくる」ために、今後は教育に重点を移して活動をするからだ。

中学校には自分のふるさとについて学ぶ単元があるが、その一環として「Sparkle」が授業に取り入れられることになった。取材方法や記事の執筆について、パトリシアさんが教鞭をとり、自分のふるさとを発見し、活動している人を知り、誇りに思うことを伝えていく。授業で書く取材記事は、冊子にはしないが、ブログとしてWeb上に公開する予定だ。そうすることで、学生も自分たちが書いた記事に対する反応をダイレクトに見ることができるし、海外の読者から感想が寄せられれば、世界とのつながりも実感できる。

最後に、パトリシアさんに今後の展望を伺った。「環境が変われば必要なもの、できることも変わる。だから絶対にこれをやらなきゃと固執せず、まわりを見ながらその時々に必要なものを見極めていきたい。今できることは、若者に村の素晴らしさを伝えること、それから村の魅力を伝える活動をしている様々な団体や人の力を融合させてもっとレベルアップを図っていくこと。みんなで協力すればもっと大きな目標を持つこともできるし、そうすれば関川村の未来は明るいよね。」

そう語るパトリシアさんの笑顔は、きらきらと輝いていた。



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