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学校と地域は”平(たいら)”〜当たり前のように地域を知り、学び、貢献すること〜 NPO法人中郷区まちづくり振興会 理事長 竹内 靖彦 さん

学校と地域は”平(たいら)”〜当たり前のように地域を知り、学び、貢献すること〜 NPO法人中郷区まちづくり振興会 理事長 竹内 靖彦 さん  生まれも育ちも上越市という竹内靖彦さんは、中郷区のまちづくりに携わり20年以上。いまは、NPO法人中郷区まちづくり振興会の理事長を務める。「地域に住む若い人の声を大事にしたい。若い人が声をあげられる。声を出せるような場所に。」という想いを大事にしている、竹内さんのまちづくりにかける想いを聴いた。

 中郷区は人口が約4000人。若い世代は新潟市や東京などの都市に若い人が出ていったり、結婚を機に上越市内や妙高市に拠点を移したり、他の地域と同じく少子高齢化の状態だ。10年後には約2500人まで住民が減ると試算されており、目を背けることのできない大きな問題となっている。

 そうした中で、竹内さんがまちづくり振興会で特に力を入れている3つの柱がある。1つ目は「地域資源開発」。中郷区にはえちごトキめき鉄道(愛称:トキ鉄)の二本木駅があり、全国的にも珍しいスイッチバックで電車が発車しており、観光の目玉として全国に発信していきたいと考えている。そこで、駅舎を借りて喫茶店を開き、トキ鉄のリゾート列車「雪月花」が運行される日には、駅のホームに立っておもてなしを行っている。また、明治時代に建てられた駅舎は市の文化遺産としても貴重なもので、全国からいらっしゃるお客様に大変喜ばれるそうだ。

 2つ目は「次世代育成」。中郷区にある地元企業が求人を出す際は、地元住民を積極的に採用してもらう協力を得ていて、中郷が好きな若者がぼちぼち地元に帰って来ている。
そこで昨年、青年会を再結成して、20〜30代を中心に30人くらいの会員が集まった。若い世代がやりたいことができる環境づくりや新しいコトが始められるきっかけを作れるようにしたいと考えており、2月には「雪んこまつり」を主催する。さらに、振興会と一緒に「お見合いパーティー」を企画する案もあがっているそうだ。

 3つ目は「高齢者事業」。去年から始まった厚生労働省の「地域支え合い事業」に上越市が全国で一番に手をあげ、中郷区が最も早く取り組みを始めた。他の区は社会福祉協議会などに再委託することが多い中、中郷区は独自に取り組みを始め、「すこやかサロン」や「介護予防教室」を通年開催している。

 また、まちづくり振興会ではNPO法人化する10年前から、地元の小・中学校の総合学習の一環として、子どもたちに授業時間を使って地域のことを学ぶための様々な活動に参画してもらっている。今では、地域で何かやる時に一番頼りにしているのが小・中学生で、地域にとって重要な『ひとつの人材』として大変頼れる存在にまでなっているそうだ。

 「高齢者関係もそうだし、駅のこともそうなんだけど、小学生がすごく素直な声を出してくれるようになってきて、イベントや事業とかに参画するときちんと自分たちのモノを形にするという力がすごくついてきていると思いますね。」と竹内さんは語る。

 そして中学生になると、1年生が「地域を知る」を目的に高齢者サポートを、2年生が「地域を学ぶ」で区民体育祭、3年生が「地域に貢献する」で夏祭りを担当し、自分たちが立てたプランを実行するという経験をする。すると、高校生になっても子どもたちから仲間に入れてほしいと行事の手伝いをしてくれたり、運営会議でバンバン意見を言ってくれたり、自然な雰囲気で地域に関わりを持つようになっていく。子どもの頃から当たり前のように地域を知り、地域を学び、地域に貢献していることで、地域へ関わり、参加することへの垣根が全くないのだ。

 そのため、まちづくり振興会メンバーの年齢は、市内の他の区に比べると若い。『学校と地域は敷居が平(たいら)』ということを子どもの頃から伝えてきたことが実を結んだ結果だろう。最近では、高田など他の地域で中郷区をモデルにした学校単位の取り組みが始まってきている。

 竹内さんは声の力がものすごく重要だと常々考えている。ひそひそと話したり、ぶつぶつとつぶやいたり、ただ声を荒げるだけでは具現化するまでは至らない。自分が「やりたい!」「こうしたい!」ということをハッキリと声をあげていけば、周りから色々な情報が引き寄せられ、自分が目指していた形になる。そういう法則があると考え、子どもたちにも伝えている。

 「地元に帰って来た子は、体育祭だ!夏祭りだ!っていうと顔出してくれてね。それはすごく嬉しいですね。やっぱり若い人たちの声を潰さないっていうね。自分の杵柄はなしにして、若い人たちがこれからなんで。だから、タイミングをみてスッとバトンを渡せるようにしていかないと。地域活動は白黒つける必要もないし、判断を下すこともない。とりあえずやってみて、ダメだったらまた修正すればいいんだから。」と竹内さんは語る。

 平成29年はさらに新しいことをしたい!と意気込んでいた竹内さんの活動に、これからも注目していきたい。

・NPO法人中郷区まちづくり振興会   http://nkg-machishin.org/

(2017/01/25  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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