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「一人一人が知ることから、被災地の復興がはじまる」 〜東日本大震災ボランティア 神田康伸さん〜

「一人一人が知ることから、被災地の復興がはじまる」 〜東日本大震災ボランティア 神田康伸さん〜  東日本大震災の被災地でボランティア活動を行っている神田康伸さん。約10年前にガンで母親を亡くした神田さんは、治療の際に宮城県の専門医にお世話になった。「母親を支えてくれた東北を、今度は自分が支えたい」という想いから、現在もボランティア活動を続けている。

 神田さんは震災発生後、地元の社会福祉協議会(以下、社協)を訪ねた。当時、社協では、救援物資やボランティア活動に必要な資材を積込んだボランティアバス(以下、バス)の定期運行を開始していた。そこで、津波被害がひどかった岩手県陸前高田市にバスが出ると教えられ参加したのが活動を始めたきっかけとなった。   

 神田さんの最初の作業は瓦礫の撤去だった。震災発生当時の陸前高田市には、津波によって流されてきた船や流木、発泡スチロールなどの瓦礫が散乱していた。
撤去の他に、耕起作業、全壊した家屋の草刈り作業、市街地の側溝の泥だし、松の苗木植えなどの作業も行ってきた。最近ではわかめ漁の手伝いなど、地元産業の支援もしている。

 社協が7ヶ月でバスの運行を止めた後、神田さんは自らバスを運行させた。バスを出してくれる旅行会社を探し、ボランティアの受け入れ可能な地域のコーディネート、宿泊先の予約、活動のプログラム作成など、全ての準備を一人で行った。

 「誰もやらないのなら、自分でやるしかないと思いました。バスを運行するなら、参加費は一人あたりいくらになるとか全部計算して。定員にならなかったら赤字になるけど、それは自分で補てんすると覚悟を決めてやりました。実際はほぼ定員になったので、ほとんど赤字にはなりませんでした。」と話してくれた神田さん。
 
 神田さんは「被災地の状況をちゃんと知ってほしい」と、メディアでは報道されないボランティアの状況を詳しく教えてくれた。最も印象深かったのが、砂利の中から骨を探す作業だ。

 「砂利をふるいにかけて細かくなった骨を探し出します。ふるいにかけたものはその場では骨と判断されないので、結果は分かりません。現場の方からも結果は問い合わせないでほしいと言われていますし。報道される行方不明者の数を確認して『そういうことだったのかな』と推測しています。」

 専門職ではなく、ボランティアにこういった作業を任せなければならないほど、被災地の人手不足は深刻化している。

 「陸前高田市では人口の流出に歯止めがかからず、高齢化が進んでいます。地元の人は、このままでは市がなくなってしまうのではないかと不安がっています。産業は少しずつ復興していますが、金銭的に雇う余裕がなかったり、そもそも人がいないなど問題を抱えています。また、ボランティアが大勢来ていた時はそこにお金も落ちていましたが、今ではそれも少なくなりました。」と神田さんは語る。

 「被災地では、まだまだボランティアを必要としています。見に来たり、話を聴きに行くだけでもいい。被災地の状況を知ってもらうことが、復興へつながります。」

 神田さんは、ボランティア活動に参加してくれる人はもちろん、被災地のことを聴いてくれる人をいつでも待っている。


(2015/4/23  にいがたNPO情報 ネット http://www.nponiigata.jp

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