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「雁木に宿る、高田の人の思いやりの心と歴史を伝えたい」〜越後高田 あわゆき組 関由有子さん〜

「雁木に宿る、高田の人の思いやりの心と歴史を伝えたい」〜越後高田 あわゆき組 関由有子さん〜  上越市高田で、建築家として活躍する関由有子(せきゆうこ)さん。「雁木(がんぎ)」と呼ばれる雪よけの屋根が続くまちなみを利用して、地域活性化の活動を行っている。

 小さい頃からプラモデルを作るなど、物を作ることが好きだった関さん。建築を学ぶため京都の大学へ進学し、そのまま京都で建築関連の仕事に就職した。仕事をする中で偶然目にしたフィンランドの家具作品に惹かれ、フィンランドへ3年ほど留学。現地で北欧の木工・家具制作を学んだ。留学後は地元の上越へ戻り、設計事務所を開設した。現在は、建築家としてだけでなく、フィンランドで得た知識を活用し、インテリアの提案を行うアドバイザーとしても活躍している。
 
 平成16年、高田のまちなみやまちづくりに関心のある人が集まり、地域活性化に向けて住民が動き出した。意見交換から始まったその動きは、その後開催した地域活性関連のイベントを機に「あわゆき組」として活動を始めた。
 あわゆき組は「雁木など、古き良きものを生かしたい」「ここに住む自分たちが誇りに思うまちを、次の世代に伝えたい」という想いを持った市民で構成されている。スタッフは主に高田の自営業者が中心だが、会社員や行政職員も参加している。「仕事で高田に来てあわゆき組に参加した人たちが、異動後も関わってくれています。あわゆき組がイベントをする時に、準備段階や当日スタッフとして参加してくれて心強いです。何より、こうやってつながりが保てていることも嬉しいです。」と関さんはほほ笑んだ。

 あわゆき組の主な活動として、1年に2回開催する期間限定の甘味処『あわゆき亭』がある。これは町家を利用したカフェで、あわゆき組誕生のきっかけとなったイベントでもある。「雁木を中心とした高田のまちなみを堪能しながら、美味しい物と一緒に町家も堪能してほしい。」という想いから、スタッフがスイーツを手づくりし、着物でお客をもてなすという内容だ。「懐かしい感じがする」や「素敵」など、甘味処利用者から好評を博している。
 他にも、町家で物語の読み聞かせをする『あわゆき読みかたり』や、「高田のオリジナルデザインでまちおこし」を目的とした手拭い『町家三昧』の制作など、様々な活動を展開している。
 数ある活動の中でも力を入れているのが『あわゆき道中』という、雪国の伝統的な防寒着「角巻(かくまき)」を着て雁木のまちなみを歩くイベントだ。このイベントでは高田の歴史を深く感じてもらうため、高田瞽女(ごぜ)の文化を保存・発信する会が、瞽女の門付風景を再現するプログラムをあわせて行っている。この瞽女を目当てに、毎年多くの人がこのイベントに訪れるそうだ。

 あわゆき組の今後の展開として、関さんは広報に力を入れたいと考えている。あわゆき組の活動が多くの人に知られる機会が増えれば、全国で同じような活動が生まれるきっかけにつながるからだ。
 「同じような取り組みを全国各地に広げて、その団体とつながりたいと考えています。そのつながりが、地域を元気にする素になってほしいです。」

 取材中、今月末に開催する『あわゆき道中』の打合せに同行させてもらった。移動中に雁木の下を歩きながら、雁木は行政が造るものではなく各家が造るものだと教えてくれた。
 「公道に個人が雪を避けるためのひさしを造るんですね。造る造らないは各家の判断だから、雁木が途切れる場所もあります。でも雁木が途切れると雪で歩きにくいでしょう?雁木は雪国の人々の思いやりの表れなんですよ。」

 今月末には、先にも紹介した『あわゆき道中』が行われる。角巻を羽織りながら雁木の下を歩き、高田の人や歴史に想いを馳せてみるのも、きっと楽しいだろう。


・越後高田 あわゆき組
http://www.awayukigumi.com/top.php
・あわゆき道中のお知らせ
http://www.awayukigumi.com/info/details.php?id=72


(2015/1/22  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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