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「人が手をかけた里山の美しさを、1年を通して感じてほしい」 〜NPO法人にいがた森林(もり)の仲間(とも)の会 山崎久雄さん〜

「人が手をかけた里山の美しさを、1年を通して感じてほしい」 〜NPO法人にいがた森林(もり)の仲間(とも)の会 山崎久雄さん〜  新潟市秋葉区にある新津丘陵の保全を進める「NPO法人にいがた森林(もり)の仲間(とも)の会(通称もりとも)」で活動する山崎久雄さん。定年退職した後に嘱託職員として生活する中で、時間を見付けては里山の保全活動や、風景、地元の祭りを写真に収め、記録に残している。
 新津丘陵の金津は、平成8年まで稼働していた石油採掘の櫓(ろ)が点在し、里山の風景に溶け込んでいる。歴史ある新津丘陵で、山崎さんが活動に込める想いをお聴きした。

 山崎さんの所属する「もりとも」の活動の歴史は古い。石油の採掘が終了した平成8年に発足し、任意団体から法人化の過程を経て今年で18年を迎えた。「森の応援団」のスローガンの元、発足当初から行政と一体となって、里山の整備保全活動や市民参加の活動・森林体験など色々な活動を行ってきた。「森づくり部門」と「レンジャー部門」の二つに分かれ、豊かな森づくりを目的に活動している。森づくり部門は間伐や保全など里山の森の健康回復を行い、レンジャー部門は新津丘陵の遊歩道の整備・保守や巡視を行っている。
 間伐で出た樹木は一定の長さに切り、メンバー手製の炭焼き窯で木炭にする。また、間伐材を使用してキノコのホダ木栽培にも力を入れている。できた木炭や収穫したキノコは、イベントに参加した市民に生活用品として活用してもらったり、調理して振る舞ったりしている。
 また、市内の小学校向けに「里山文化普及活動」を企画運営。小学生を、炭焼き窯のある「ふれあいと交流の森」に案内して、実際に自然と触れ合ってもらうことで森林の大切さや魅力を伝えている。
 近年では新津丘陵の里山の再生・整備の取り組みが評価され、平成24年11月13日に日本ユネスコ協会連名の「プロジェクト未来遺産」に新潟県のNPO団体の中で初めて登録された。

 山崎さんが「もりとも」のメンバーになったのは、前職の同僚がきっかけだった。同僚の机の上に炭焼きの作品を見かけて話を聞いたところ、「もりとも」が山崎さんの自宅近くの石油の里一帯で活動していることを知った。また、地元の人間がメンバーとして活動していないことも分かった。そこで、まず体験してみようと思い活動に参加しはじめた。数年後、正式な会員としてメンバーに加わった。

 会員になった当初はレンジャーとして、遊歩道や登山道の整備、里山の保守業務や巡視を担当。10年近く経つ現在では、炭焼き・森づくりと、「もりとも」の活動内容を全て担当できるようになった。今では、炭焼き窯の燃焼室作りと炭焼き時の窯閉め作業は山さんが主に行っている。
 「里山の間伐を進めて行くと、日増しに里山が綺麗になっていくのが分かりました。それが楽しくて、活動日が楽しみになりました。」と、活動を始めた当初の気持ちを振り返る。

 活動をする中で、間伐作業に対する誤解を受けたこともあるという。「登山道脇の間伐をしていると、登山者の方から、なぜ木を切るのかとお叱りを受けることもあります。そういう時は作業を中断して、丁寧に里山再生の説明をします。大半の方からはご理解を頂けます。秋の紅葉時には、逆に登山者の方から労いの言葉をかけて頂くこともあります。そんな時は、森づくりをしてきて良かったと、本当に嬉しくなりますね。」と山崎さんははにかむ。

 「新津丘陵の一帯は、早春の新緑も、秋の紅葉も1年を通して美しい場所です。石油の里駐車場から登山道を歩いて菩提寺山山頂まで約2時間、この景色を楽しんで頂きたいと思います。『もりとも』の森づくり部門は、毎月2回、第1土曜日、第3水曜日に菩提寺山のふれあいと交流の森周辺で活動しています。里山整備に興味のある方がいましたら、ぜひ1度、もりともの活動にご参加ください。人の手の入らない広葉樹林と手をかけた広葉樹林の違いを、ご自分の目で確認して頂きたいです。」

 整備することで、里山の環境が再生され美しさが保たれる。その過程を楽しみながら行っていきたい。そう語る山崎さんの眼差しは、まっすぐに、優しく山の木々を見つめていた。

・にいがた森林(もり)の仲間(とも)の会
http://www16.ocn.ne.jp/~moritomo/
・公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
http://www.unesco.or.jp/


(2014/10/22  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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