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中越震災から得た経験を活かして、皆が笑顔でいられる場所を作りたい 〜えんえん実行委員会 星野佑磨さん〜

中越震災から得た経験を活かして、皆が笑顔でいられる場所を作りたい 〜えんえん実行委員会 星野佑磨さん〜  小千谷市の一般企業に勤めながら、年に1本のペースで震災復興関連のイベントのスタッフとして活動する星野佑磨さん。イベントに関わり始めたのは、2004年10月23日に経験した中越地震が切っ掛けだった。当時、星野さんは21歳。避難所や仮設住宅で心身ともに疲労した人達をたくさん見てきた。「みんなを本当の笑顔にもう一度戻したい」その気持ちを軸に、星野さんは活動を続けて来た。
 震災から10年の節目を迎える今年、星野さんの目にはどんな景色が見えているのか。

 2004年10月23日の夕方、中越大地震が星野さんを襲った。震源地から近い山の斜面にある星野さんの自宅は、全壊は免れたものの、街までの道が土砂により塞がれ、3日間ライフラインの途絶えた地域で過ごした。その後災害用ヘリコプターで市内の避難所へ移動し、更に仮設住宅で3年間暮らした。そこで、震災の10年目にあたる2014年10月に開封するタイムカプセルを封印するイベントを行った。
周りのみんなの笑顔が見たくて頑張った星野さんだが、「震災関連の事だから楽しんじゃいけない」という気持ちも強くあった。イベント当日は悪天候に見舞われた事もあり、やらなきゃ良かった、と後悔ばかりが残ったと言う。
 そんな気持ちを持ちながらも、このイベントを切っ掛けに、翌年から震災復興関連の様々なイベントにスタッフとして参加を始めた。イベントを定期開催するいくつかの団体に出入りしながら、多くの人と出会い一生活動を共に出来る仲間とも出会えた。現在は、「人と人の繋がりが最大の防災」をテーマとして、フリーマーケットで人の集う場所を作り続ける『えんえんマーケット』えんえん実行委員会に所属している。

 これまでの活動で特に印象の強いイベントが、2009年10月に行われた『信濃川プロジェクト』だ。津南町から新潟市の河口まで信濃川沿いに花火を上げるという内容で、市町村の枠を取り去り、信濃川を軸に新潟県が一つになったイベントだった。被災者が地域の復興を感じられるようになったのが、震災5年目を迎えたこの時期だったと、星野さんは教えてくれた。「信濃川プロジェクトは、復興を強く感じられるようになった最初のイベントでした。震災から、ここまで大きいイベントが出来るほどになったと、実感できる要素でしたね。」
 
今年は、とうとうタイムカプセルを開ける年だ。「地域に残る人、離れる人。10年前、地震の被害により、地域の人々に温度差が生まれました。言葉では言い表せない見えない壁があり、それがとても嫌でしたね。タイムカプセルを開ける時はその壁をなくして、色んな人たちが集まれる場所を作りたいと思います。」
10年前、疲弊と後悔ばかりが残った初めてのイベントを経験した星野さん。それでもこれまでイベントに関わって来られたのは、タイムカプセルを開ける目的があったからだ。そして何より、周りの人の導きや、関わったイベントでたくさんの笑顔を見てきたからだ。   
「たくさんのイベントを経験してきて、自分にノウハウを蓄える事が出来た。タイムカプセルを開ける時は、きっと気持ち良く終わらせる事が出来る。これが終わったら、10年前の後悔も乗り越えられる気がします。」そう語り、星野さんは照れ臭そうに笑った。

 タイムカプセルを開けた後の目標を訪ねてみた。「これまでの10年は自分の感じた後悔を消す為と周りの笑顔の為に活動してきた。でもどっちかって言うと「自分の為」の気持ちが大きい。これからは本当に、周りの人の為に活動していきたいと思っています。皆が自分らしく、笑顔でいられる場所を作る事が目標です。」
10年の過去とこれからの未来を見据える星野さんの眼は、強く優しかった。


・信濃川プロジェクト(第6回日本イベント大賞受賞のお知らせ)
http://www.jace.or.jp/bw_uploads/JEPG6.pdf
・えんえんマーケット
 http://enenmarket.exblog.jp/

(2014/4/21  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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