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「死に方も生き方もみんな違う」と氣付くことは、生きる力を取り戻すこと 〜自死遺族 分かち合い『越後 逢うる』主催 さとみさん〜

「死に方も生き方もみんな違う」と氣付くことは、生きる力を取り戻すこと 〜自死遺族 分かち合い『越後 逢うる』主催 さとみさん〜  普段は整体の仕事をしているさとみさんは、自死遺族が心に抱えたそれぞれの大切な想いを分かち合い、繋がり合える居場所である『越後 逢うる』を主催している。自死遺族が自分の氣持ちをありのままに、同じ立場の人と体験を共有し合う「分かち合い」の場を、新潟市江南区で月に1度開催している。なぜこの場を作り続けるのか、目的や思いを聴いた。

 近年社会的に課題となっている自死。新潟県は自死率が特に高く、毎年、全国の自死率トップクラスに入っている。自死者が増えるという事は自死遺族も増える、という事になるのだが、その存在は世間からは見過ごされているのが現状だ。「身内が自死した事を言えず、辛いや悲しいなどの感情を出せない人は多く存在する」と、さとみさんは言う。

 主催者である彼女もまた、母親をうつ病から自死で亡くした一人だ。喪失感の一方、身内の自死を自分のせいだと責めたさとみさんは、うつ症状と摂食障害に襲われた。抗鬱剤では鬱は完治しない、という事を自死を選んだ身内を見て感じていたさとみさんは、薬を飲む事が出来なかった。そして他の改善方法を模索し続け出会ったのが「分かち合い」だった。

 その後さとみさんは、同じ立場の人達と繋がる事を目的に「分かち合い」に参加するが、そこでは他の参加者と繋がる事は許されなかった。さとみさんは言いたくとも言えなかった感情を出せなかった事や、他の参加者と繋がれなかった事に失望する。その後出逢ったのが、仙台で活動する自死遺族の分かち合いのつどい『藍の会』の代表、田中幸子さんだった。藍の会に参加した際に田中さんから笑顔で迎えられた事でさとみさんは安心し、感情を素直に、正直に出す事が出来た。   

 また、他の自死遺族の方の話を聴く事で、遺族の悲しみや辛さは人それぞれ違う事、逆に言えば、「生き方も人それぞれである」と氣付き、自死をした身内の後追いをいつも考えていたさとみさん自身の生きる力に繋がったと言う。

 地元でもこんな場を作りたい。その思いから、さとみさんは2010年1月に自死遺族の集いを目的とする『越後 逢うる』を立ち上げる。その直後から自死遺族の方から問い合わせがあり、2か月後には『越後 逢うる』の初主催となる「分かち合い」を開催した。
さとみさんは、「分かち合い」を定期的に同じ会場で開催している旨をホームページに広報するだけで、過去に参加した自死遺族に必要以上に連絡を取ることはしない。必要な時に繋がれる事が、互いに心地よい関係でいられると考えるからだ。 「一時の安らげる空間の中で、苦しい氣持ちを少しずつ出す事が出来れば、それが生きる力にゆっくりと繋がるかもしれない。分かち合いを4年開催してきて、悲しみも自分の大切な氣持ちの一部分と思える様になりました。苦しい氣持ちを持っている自死遺族の方達に『逢うる』を繋げていただきたいです」と、笑顔でさとみさんは話してくれた。
 さとみさんは2月22日(土)に『いのちの授業−言えなかったたいせつなこと4−』を開催する。テーマは「あたたかい居場所」で、自助グループ研究者である上智大学教授の岡知史氏の講演と、さとみさん自身の体験が話される予定だ。 

※今回の取材では、文中の自殺という言葉は全て「自死」と言う言葉を使っております。また、「気」の文字表記を、「氣」にしております。ご理解の程、お願いいたします。

「自死遺族 分かち合い 越後 逢うる」ホームページ http://www.geocities.jp/echigo_owl_wakachiai/index.html 
「いのちの授業−いえなかったたいせつなこと4−」案内ページ (「新潟県社会活動参加促進ポータル さんかくむすび」内)※参加者は定員に達しました。 http://www.sankakumusubi.jp/event_volunteer/detail?id=52aec5321e2e3


(2014/2/03 にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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