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資源を無駄にしない、『考えるきっかけ』を持ってもらいたい 白井 智雄さん

資源を無駄にしない、『考えるきっかけ』を持ってもらいたい 白井 智雄さん  五泉市上大蒲原にある木材加工場の一画にある炭焼き窯を借り、杉の炭を日々焼いているのが白井智雄さんだ。
 長岡市で育った白井さんは、大学入学とともに上京、高度経済成長期の東京で若かりし日を会社員として過ごした。当時は、公害が社会問題化しており、身近に環境について考える機会が多かった。25年程前に新潟市秋葉区に戻ってきてから、偶然本で読んだEM(有用微生物群)による生ごみ処理、たい肥制作に興味を持ち、実践を始めた。今では、捨てれば「ごみ」・活かせば「資源」をモットーに、新潟県が行う「環境にやさしい生活」出前講座の講師を務めている。たい肥以外にも、米のとぎ汁発酵液(善玉菌の培養液、家内の掃除液や家庭菜園の防虫・防病に使える)の活用についても当時から実践と利活用をしてきた。

 そんな白井さん、今から10年ちょっと前に孫の誕生を期に息子夫婦と3世代で住むために家を建て替えた。その際、屋根につけたソーラーパネルがきっかけとなり、省エネの分野にも活動を広げた。エネルギー問題への関心から、当時新潟市が取り組んでいた新潟市地球温暖化対策地域推進計画の策定委員に応募し、市民代表の公募委員として参画した。この委員会で同席したメンバーとの出会いをきっかけに、「新潟気軽に省エネくらぶ」に参加。「野菜まるごとクッキング」など、くらしのすぐ側にある省エネをテーマとした講座の運営のお手伝いを行っている。

 イベントを通じて話をする対象は多岐にわたるが、中でも印象深いのは、小学校や中学校での講座だという。特に小学生向けの講座では、実験装置を持ち込んでの体験型の講座に重きを置いている。
 「子ども達に実験や体験を通じて、まずは驚きや楽しさを感じてもらいたい。そして、日々の暮らしの中で資源を無駄遣いしないということについて『考えるきっかけ』を持ってもらいたい。」
 自身、子どものころに父の会社の船から見た信濃川でのある風景が脳裏に残っているという。夏の澄み渡った信濃川の川面に排水口から流れ出す茶色の工場排水がいつまでも混じり合うことなく、どこまでも流れていく風景。当時は意味もわからずその風景を眺めていたが、今になって思えば、そうした光景が「環境」について考える原点になったと振り返る。

 そして、今、白井さんは新たなテーマ里山活用への挑戦として、木材加工時に発生する廃材を使った炭焼きに取り組んでいる。以前から、自然資源の循環について思いを馳せ、里山活用こそ究極のテーマと目標にしていた。そんな折、昨年11月に新潟市で開かれた「天然木の家」をテーマにしたイベントへの参加が転機となった。新潟県五泉市で木材の製材・販売や越後杉を使った木工品の製作・販売を行っている株式会社マルユーを経営している森山さんとの出会いである。森山さんの話しを聞く中で、工場の一画に炭焼き窯があること、工場には加工後の廃材が多くでること、会社の裏には森山さんが所有する里山があることを知った。白井さんは、すぐにその炭焼き窯を使わせてほしいと申し出た。森山さんも快諾し、それから数か月、白井さんは毎日炭をやくために活動を続けている。

 杉を使った炭はすぐに燃え尽きてしまうため燃料にはあまり向かない。そのため、作った炭は、家の縁の下に敷き詰める調湿材や畑へまいて天然の土壌改良剤としての利用を構想しているという。
 「私にとっては、この工場のまわりにある廃材や木くずは宝の山。長年の夢は、木こりになって山で暮らすことだったので、この巡りあわせに感謝している。」
 山と森、そこから得られる水や木といった資源を無駄遣いせず、共生するためのヒントが今目の前にある。
 杉の廃材で焼いた炭を手に取って、少年のような笑顔で話をする白井さんの活動から今後も目が離せない。


白井さんが参加する「新潟気軽に省エネくらぶ」の5月のイベント「里山と製紙会社とのかかわり」の紹介チラシは下記リンクよりダウンロードできます。
http://www.nponiigata.jp/doc_main.php?mode=1&id=517f17254fc47


(2013/4/30  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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