にいがたNPO情報ネット
 フォントサイズ: 

人と人がつながる場づくりを 古本いと本 伊藤かおりさん

人と人がつながる場づくりを 古本いと本 伊藤かおりさん  「本の合コン」をご存じだろうか。
 自分のお気に入りの本を持って会場へ行くと、本は回収され、他の参加者が持ってきた本とシャッフル、どの本が誰の持ってきた本かわからない状態で並べ置かれる。実際の「合コン」よろしく第一印象で気に入った本を選ぶと、本&本の持ち主との出会いが始まる…。

 そんなイベントを新潟で展開しているのが、新発田市にあるスローな本屋「古本いと本」(いとぽん)の店主である伊藤かおりさんだ。「本が、人と人の出会うきっかけになって、参加する人たちの視野や世界が広がればうれしい。おうちの棚に眠っているのはもったいない。」と、伊藤さんは語る。

 小さいころから本が大好きだった伊藤さん、出身地は関川村だが、大学時代は東京で過ごし、卒業後、新発田市の企業に就職した。しかし、1年弱の会社勤務の中で、家と会社の往復しかしていない自分に気づく。外に目を向けようと参加したイベントが、「新潟×朝活(※)」。多くの人と気軽に、自由にコミュニケーションする中で、自身の視野が広がっていくことを実感した。会社に勤めながら、新発田市で「しばた朝活」の主催を開始。肩書き関係なく色んな人と語るうちに、改めて本を好きな自分に気づかされた。
 将来、本を生業にすると考えていなかった伊藤さんだが、2011年6月に開かれた「一箱古本市in現代市」に参加したことをきっかけに、「本を使って人を喜ばせたい」「新発田の商店街で古本屋を始めたい」という気持ちが高まる。2011年11月には「本のソムリエ清水克衛講演会」で運営副代表として参加するなど、本に関わる活動を続け、ほどなく仕事を退職し、古本市で出会ったツルハシブックス西田さんの下で修行を開始。2012年7月に、古本いと本を開業した。
(※新潟×朝活、主催者である土屋さんは、過去のノンプロフィットなひとで紹介されています。記事は、以下。http://www.nponiigata.jp/top_person_main.php?mode=1&id=4f702d1767533

 お店は、新発田駅前にほど近い新発田商店街の一画にある「まちカフェ・りんく」内にある。まちカフェは、敬和学園大学の学生が中心となって運営しているまちづくり拠点。店先の商店街の通路には、いと本が運営する「ブクブク交換BOX」が置かれており、古本の交換が誰でも無料で行えるようになっている。「新発田のまちが好き、商店街を盛り上げたい」という想いから、お店の前を通る人にも足を止めてもらい、まちを楽しんでもらうための工夫だ。

 「みんなが、いいね!と言い合える、そんなコミュニケーションができるような、人と人がつながる場をもっと増やすことができたらいい。」
 一歩を踏み出すきっかけとなるような場が、今世の中に必要とされていると、伊藤さんは感じている。伊藤さんが開くイベントには、ビジネスマンから赤ちゃんを連れたお母さんまで、いろいろな人が参加する。参加者同士で自由に話しをしていると、日頃は忘れているような夢や想いが口をついて出てくるのだそう。意見を尊重しあう雰囲気の中で、堅苦しくなく、リラックスして語れる場は、誰にとっても活力を取り戻すきっかけになる。しかし、仕事場や家庭とは違う、こうした場はまだまだ少ない。
 一方、イベントへの呼びかけが届きにくい人たちもいる。現在は、イベントの参加募集を主にインターネットを通じて行っているのだが、高齢者やパソコンを使わない子ども達への情報共有は、チラシや公共メディアでの呼びかけの方が効果が高い。今後は、公民館や行政との協働などができたら、活動がもっと広がりを持つのではないかと感じている。

 自身の経験もふまえて、「不安になった時は、行動して自信をつけていく。動くことで少しずつ変われる。」と語る伊藤さん、人との出会いが今の自分を作っている、その確信が、人と人をつなぐ場づくりへの原動力となっている。


(2012/12/18  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

TOPへ戻る 一覧へ戻る