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まちづくりの根っこを育てる  エコ・グリーン 青木ユキ子さん

まちづくりの根っこを育てる  エコ・グリーン 青木ユキ子さん  「住んでいるまちを愛し、環境を守っていく心を持っている人なら誰でも大歓迎です。」
 上越市高田公園の桜を取り巻く環境を改善する活動を10年以上に渡り続けている市民団体がある。エコ・グリーンは、高田公園の桜やハスの保全活動を毎月2回、第1、第3土曜に行っているが、それだけでなく、観察会の開催、講演会の実施、学校での総合学習の支援など、環境保全の啓発活動も積極的に行っている。このエコ・グリーンの代表を務めるのが、青木ユキ子さんである。

 かつては、仕事に打ち込んでいた青木さんだが、ある日、息子さんに「このまちを出て都会に行きたい」と言われ、自分の事として魅力あるまちづくりの必要に気づかされた。このことをきっかけに、自分の住むまちの魅力を知ろうと、週末はもちろん平日も有給休暇を取り、まち歩き・まち巡りをして、多くのまちの魅力を発見した。
 そんな日々を過ごしていた時に、上越市が開く環境保全活動についての学習会で、講師として訪れた病害虫の研究家である小池賢治先生と出会う。この時、知り合った人たちと地域のために何かしたいと考え、高田公園の桜を守ろうと意気投合。平成11年12月に、小池先生をアドバイザーに迎え、「エコ・グリーン」が立ち上げられた。

 病害虫を駆除し、肥料を与え、下草を刈るなど、数年間の地道な活動の結果、手をかけた桜は立派な花を咲かせた。地道な活動の一方、他の桜の名所を見学してきた教訓から、高田公園でも桜の周りに杭を立て侵入を制限することで、桜の周りの土の状態を良くするなど、市への提言も行ってきた。高田公園は、上越市が管理する公園であることから、活動は市との信頼を築いてきた道のりという側面もある。
 現在では、寿命を迎える桜と新しい桜の世代交代に向けて、上越市が進める大規模な植え替え事業が始まり、伐採が必要な桜のリストアップなどが行われている。来年には、実際に植え替えが始まる予定だ。
 自然環境を改善するような活動では、成果が測りにくく、補助金や助成金など予算が確保しにくい。青木さんは、こうした成果が目に見えにくいような活動にも、助けの手を差し伸べてもらえるような社会づくり・地域づくりが大切だと考えている。

 そうした活動の中で、当初からの目的である緑を守る活動のほかにも、環境保全の啓発活動にも力を入れてきた。
 公園で活動している際には、公園を通る人にも必ず声をかける。桜やハスの観察会に通ってくれる人の中には、そんな出会いで常連となった人もいる。市民ひとりひとりの力は、微々たるものでもアクションを起こし、集まることで活動にも説得力が生まれるのだという。

 その中でも特に、子どもたちの世代にこそ、活動を知ってもらい共感してもらう事が最も重要だと考える。
 そのために、小学校での総合学習の時間では、桜の保全活動を実際に公園で行い、体験してもらうことで身近に感じてもらうようにしている。そして、教室に戻っては、活動メンバーから体験談を直接伝えてもらうなどして、そのメンバーが、どんな気持ちで自発的にこの活動に関わっているかを知ってもらっている。
「公園の木だけれども、自分の家の木だと思ってみて…」
 青木さん自身が、どんな気持ちで桜の手入れを続けているのか、想いを伝えたい時に、そう語りかける。ひとりひとりに想いや愛着が芽生えれば、将来まちを愛して自発的に活動を始める人も生まれるのではないか。
 エコ・グリーンの最年少会員は、小学校6年生の男の子。まちづくりの根っこを育てるために、元気な言葉とハツラツとした行動で、青木さんはその想いを伝え続けていく。


2012/10/22  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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