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食によるまちこおしで、糸魚川を元気に。  糸魚川うまいもん会 会長  龍見 和弦さん 

食によるまちこおしで、糸魚川を元気に。  糸魚川うまいもん会 会長  龍見 和弦さん  新潟県の最西端に位置する糸魚川市。フォッサマグナが通るこのまちは、ヒスイの産地として知られ、日本で初めて世界ジオパークに認定された。ここで獲れる甘えびも評判だ。しかし龍見さんは「糸魚川の人たちは、いいもんを外にださないんだよ」と笑いながらそう答える。「よく言われる新潟人の特性がそのまま表れているという感じかな。引っ込み思案でアピールしない。ここはジオパークをはじめ、食に関してもかなり魅力的なところなんだ。山菜なんて他県の人たちに採られちゃったりするんだよ。糸魚川がどんなに素晴らしいか世の中の人に知ってもらいたい。そんな気持ちで始めたのが“うまいもん会”かな」龍見さんは同会の会長として糸魚川の「うまいもん」を全国にアピールするため、東奔西走の日々を送る。

 龍見さんは、生まれ育ちも糸魚川出身。家業である「たつみ旅館」の代表として、日々お客さまの前に立つ。学生時代は東京の大学で経営を学んだ。卒業後は、都内のホテルに就職し「家業を継ぐため」の修行を積んだ。27歳の時に地元に戻り家業を手伝い始めた。「ちょうどそのころ糸魚川青年会議所に入れてもらって、糸魚川のまちおこしに関わり始めたんだよね。青年会議所には色々と部会があるんだけど、飲食業界の部会がなくてね。だからフードサービス部会っていうの立ち上げて、横のつながりを作り始めた。そのつながりが今のうまいもん会に生きてるよ」

 同会立ち上げのきっかけは、糸魚川地域振興局の局長からの“食を通したまちおこしをやらないか”という一言だった。「異動で糸魚川に来た時に、糸魚川の名物を食べたかったけど、思い当らなかったようなんだよね。うちらは、糸魚川の食材はみんな美味いけど、反面どれを推していったらいいかわからなかった。そこで、青年会議所に所属していた頃のつながりを生かして、2009年の5月から有志で勉強会を始めたんだよ。それで同年の9月に早速“糸魚川うまいもん会”を立ち上げた。それで翌月に甘えびツアーをやった。その中で、素材は良いけど売り方を工夫しなきゃって気づいた。その後、新潟の郷土料理についてみんなで学んだりもあったけど、新潟の郷土料理って、美味しいけど素朴な印象じゃない。だったらここで獲れる食材を生かして、もっと楽しげな、親しみやすい食べ物を開発しようという話になった」甘えびや、山で採れる豊かな食材、それらを生かした料理を考えた結果、一年中漁獲のあるイカに着目した。「ここは1年を通して多種類のイカが獲れる。そして、仲間の一人が富山のブラックラーメンに対抗して、イカスミを使った焼きそばを作ったらどうだって話に膨らんだわけ」試行錯誤を重ねた結果、2010年の9月に「糸魚川ブラック焼きそば」が完成した。地元の飲食店で提供を始めると、瞬く間に評判は広がり、新潟の食の祭典「うまさぎっしり博」では、初代グランプリに輝いた。構想は1年程、発表から約3か月の出来事だ。「こんな評判になるとは正直思わなかったよ。糸魚川の名が世間にありありと広がっていくのを感じるね」

 龍見さんはこれからの構想をいきいきと語ってくれた。「野菜にしろ、海産物にしろ、ここの食材は色彩が豊か。だから色にちなんだ料理でアピールしようと考えている。甘えびのレッド、メギスのホワイト。そんな構想で発信していく予定。表に出ようとしない住民の皆さんも、段々と応援してくれるようになってきた。でもまだ“焼きそばがたまたま当たっただけ”という空気も感じる。糸魚川の食に魅力を感じて、遊びに来てくれる人が増えたらすごく嬉しい。そして糸魚川で暮らす人たちが、よその人たちとの交流を通して、今よりもこのまちを誇りに思ってくれたらと願っているよ」糸魚川の食によるまちおこしは、まだまだ始まったばかりだ。



(2010/12/21  にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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