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一切飾らない、等身大で進むコーディネーター −亀田西中学校 地域教育コーディネーター 奥田悠介さん−

一切飾らない、等身大で進むコーディネーター −亀田西中学校 地域教育コーディネーター 奥田悠介さん−  学・社・民が一体となった教育を進めようと、新潟市教育委員会は「地域と学校パートナーシップ事業」を始め、新潟市内の104校に地域教育コーディネーターを設置している。奥田悠介さんは、今年から亀田西中学校に配置された地域教育コーディネーターとして、生徒や近所の住民たちと触れ合いながら、地域と学校をつなぐ種を探す。コーディネーターの自主的な勉強会にも積極的に参加する25歳の若手コーディネーターだ。

 「地域の活動にに生徒を参加させたり、校歌から地元の歴史文化を学んでみたり、学校行事のボランティアを募ったり、文化祭での催しに地域の方と参加したり。僕がとにかく色んなことをしてみて、生徒達には学校ではなかなかできない体験をしてもらいたい」活動内容について尋ねたところ、奥田さんは、肩をすぼめ恐縮気味にそう答えてくれた。その中で「地域とのつながりは非常に重要」と感じているようだ。とりわけ、亀田西中のコーディネーター3人が発行している「西中ふれあい便り」は、そんな思いから発行された地域と学校をつなぐお便りだ。「地域に関わる生徒の模様を伝えて学校側から地域に出ていっているということを知ってもらえればありがたいです。住民の方から頂いた綿花の成長を伝えてたりもしてるんですよ」
 
 コーディネーターとして、生徒や先生、地域住民との綿密なコミュニケーションが望まれるわけだが「日々成長を感じているが、苦手なお仕事ではありますね」とまた肩をすぼめた。「過去に3年間程引きこもり状態にあったんです。中高と登校拒否がちで、高校は中退しましたから」と、過去の経験を語ってくれた。「中学時代はともかく、高校に入学してからが大変でした。中学時代は、勉強もスポーツもそれなりにこなせていて、比較的優秀なのかな?なんて思ってたんですよ。ところが高校に入ってからはそうもいかなくなって。それでも背伸びして生きたくて、必死に自分を良く見せようとしていた。だけど、限界を感じて、どんどん委縮していって、他者の前で自分を表現することが出来なくなっていきました。今思えば、人への優越感で自分を認めていたんだと思います」
 すっかり自信を失くしていた奥田さんに転機が訪れたのは、約2年程前のことだ。「父の仕事のつながりで、たまたまボランティア亀田を知りました。その時は気分が落ち込んでいないこともあり、なんとなく足を運びました。そこでは、来たばかりの僕に色んなお仕事を任せてくれて。こんな自分でも人の役に立つことができるんだと思えるようになりましたね。背伸びをして決めた役割を演じ続ける必要はないんだと気付くことができたんです」

 以前から亀田西中の生徒たちと一緒に地域活動に取り組んでいたボランティア亀田。そこでの活躍が認められ、コーディネーターに抜擢されたのだ「不安は沢山ありましたよ。引きこもりの経験があったので、学校には少なからず抵抗感がありましたし。ですが、この経験を自分の成長につなげようと思い、今の仕事をしています。実際にお仕事を始めてみてからは、すごい面白いです。生徒との距離が近くて、気軽に話しかけてくれる。普段の生徒とのふれあいがとても楽しいです。でも僕みたいな経験をしている子供となかなか接点をもてないのが辛くて。自分をうまく表現できない生徒が、足を運べる空間を作れないかなと考えているんです。第2の保健室とでも言うんでしょうか。僕の過去の経験を生かして、生徒の力になれたら。そんなコーディネーターもアリかな?と考えているところです」ついさっきまでしきりに頭を下げていた奥田さんが、この時ばかりは強い眼差しで語ってくれた。ありのままの自分を受け入れた人間の強さを感じた。彼の挑戦を、これからも応援していきたい。



(2010/9/28 にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp/) 

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