にいがたNPO情報ネット
 フォントサイズ: 

「一人ひとりが、かけがえのない命〜村上総合病院 助産師 / 誕生学アドバイザー 臼井祐子さん〜」

「一人ひとりが、かけがえのない命〜村上総合病院 助産師 / 誕生学アドバイザー 臼井祐子さん〜」  村上駅にほど近い、村上総合病院第2病棟。お腹の大きなお母さん、家族連れが行きかうナースステーションから顔を出してくれたのは、助産師の臼井祐子さん。命の大切さ、性教育などで学校に出向く機会はあったが、より子どもたちの気持ちに訴えかける授業はできないかと「誕生学」を学び、子どもたちがより自分を大切にできるようにとメッセージを投げかけ続けている。

 誕生学を学ぶきっかけになったのは、昨年行われた「学校と地域を結ぶオープンセッション」だった。学校の先生と、地域の農業や環境、伝統工芸、スポーツなどあらゆる分野で子どもたちに提供できる体験について情報を交換し合った。その中で、特に先生たちの関心が集まったのは、臼井さんの「命を大切にする授業」だった。これをきっかけに、より子どもたちにわかりやすく、年代に合わせた、気持ちに語りかけるような授業をしたいと、日本誕生学協会で行われるセミナーを受講するために東京へ通い、「誕生学アドバイザー」の資格を取得した。

 従来の授業では、性についての正しい知識を学んでもらえるよう、パワーポイントなどで行っていた。しかし、誕生学を学んでからは、パネルや模型などを使いながら、物語を語りかけるように授業を進めていくという。年代によっては言葉を変え、卵子はお母さん卵、精子はお父さん卵、子宮は命の部屋というように、わかりやすく、やわらかな言葉を使い説明をするそうだ。「正しい知識はもちろん大切。でも、それ以上にお母さんが命を宿した時や、赤ちゃんが生まれた時の“気持ち”を伝えることで、自分自身を大切に、そして周りの人も大切に育てる“心”を育てたいの」と温かな笑顔で臼井さんはおっしゃる。

 「親が勝手に産んだ」「こんなところに生まれてきたくなかった」など、特に思春期の子どもは自分の存在に否定的になることがあるという。そんな子どもたちに臼井さんは、「赤ちゃんだった君は、生きるために呼吸の練習やおっぱいを飲む練習をいっぱいしてきたんだよ。そして、狭い道(産道)をいろんなくふうをしながら自分の力で生まれてきたんだよ」と語りかける。日々、お産の現場に立ち会うからこそ得られる“実例”を話すことで、子どもたちも真剣に、素直に受け止めてくれるという。「生まれてくるってすごいことなんだ」「親に感謝したい」などの子どもたちの感想が臼井さん自身のパワーにもなるようだ。

 「子どもたちだけでなく、お母さん、お父さんなど様々な年代にも聞いてほしい」と臼井さんの夢は広がる。人と人とのふれあい、肌と肌のふれあいを大切にする、タッピングタッチやベビーマッサージなども学んでいきたいという目標もあるそうだ。「自分自身も「誕生学」を通じて命への愛おしさが増したし、やさしくなりました」と微笑む姿に、こちらの心もじんわりとあたたかくなった。


(2010/2/24 にいがたNPO情報ネットhttp://www.nponiigata.jp/) 

TOPへ戻る 一覧へ戻る