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田舎の営みを繋げたい  −十日町市地域おこし実行委員会 籾山旭太さん−

田舎の営みを繋げたい  −十日町市地域おこし実行委員会 籾山旭太さん−  十日町市街を通る国道252号線を進むと、集落の屋号を記した看板が掲げられ、訪れる人を歓迎する。看板に案内されるまま山道を進めば、美しい棚田、ブナ林から滲み出る清流に目を奪われる。山間の自然に囲まれたこの池谷・入山集落で村おこしに精を出す一人の青年がいる。

 籾山旭太(もみやまあきた)さんは東京農大を卒業後、地元神奈川を飛び出し、農業技術と経営を学ぶ専修学校に入学した。「実家は農家じゃないのですが、“自然”を相手にした仕事がしたかったんです。自然との関わりに憧れていたんだと思います」と、照れくさそうに当時を振り返る。「自然と言っても様々ですが、人がやらないことに興味を持つ性格で。担い手不足と叫ばれる農業に強い興味を持つようになり、“誰もやらないなら、やってみるか”という気持ちで飛び込みましたね」

 専修学校卒業後、そのまま農場職員として専修学校に就職。しかし「現場の農業、農村を経験したい」という思いから2008年10月、池谷・入山集落を訪れた。「農業についてはまだまだ勉強中ですが、“これからの農業をどうしたらいいか”と自分なりに常に考えています。過疎高齢化、担い手不足の大きな原因は田舎で生計が成り立たないから。これらを乗り越えて田舎暮らしが成り立つ仕組みを地域の人と模索しています。池谷・入山は現在、人口14人、平均年齢が約70歳。いわゆる限界集落ですが、規模が小さいのでムラの事情が非常にわかりやすかったです」と、研修でこの地を選んだきっかけを語ってくれた。「加えてここは中越大震災の被害も受けており、復興への取り組みも盛んでした。そしてこのムラを元気にしようと取り組んでいるのが“十日町市地域おこし実行委員会”でした」
 「十日町市地域おこし実行委員会」は、池谷・入山集落を中心に、都市に住む人々との交流イベントの開催や、お米の販売などを通して、このムラを再び活気づかせている。そして籾山さんは、同実行委員会の事務局を担っている。「この活動は非常に面白いと感じています。週末になると都会から多くの人達が泊りに来てくれますが、夜一緒にお酒を呑んだりすると、この地域の事情をすごく聞いてくれますし、帰ったあとも真面目にこの地域について考えてくれる。「池谷をどう未来に繋げるか」という具体例を通じて「この世の中をどうしたらいいか」を皆さんそれぞれが考えているように感じます。このような交流を積み重ねていますが、結果として多くの方から地域おこし活動に対して沢山の提案を頂いて、またそれを実行できる雰囲気が集落にはあります。そんなところが魅力なのかもしれません。田舎暮らしを成り立たせるためには、人とのつながりがとても重要だと感じています」。

 籾山さんは、同実行委員会メンバーとして、集落の村おこしに大きく貢献してきた。しかしここでの暮らしは期限が決まっている。「当初は1年間滞在する予定でしたが、もっとここでの取り組みに深く関わってみたいと思い、もう1年半延長することになりました。何度も訪問してくれる都会の人の中には“池谷・入山集落に住みたい”と仰ってくれる人もいる。でも現実的に、その方々が定住するためには“新しい仕事”が必要。また、集落の持つ伝統や知恵を活用し、どのように次の世代に引き継いだらいいかも考えないといけない。そうした取り組みに興味を持ってくれる方もいるので、そうした方々にも発信し、出来る限り伝えていきたい」
 これからの挑戦を語る籾山さんの表情は、とても嬉しそうで、自信に満ちていた。


(2009/12/22 にいがたNPO情報ネットhttp://www.nponiigata.jp/) 

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