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夢を現実に、着実に歩みを進める   〜たいない自然学校代表 佐藤 陽志さん〜

夢を現実に、着実に歩みを進める   〜たいない自然学校代表 佐藤 陽志さん〜  『たいない自然学校』は黒川大橋の手前、日本一小さい山脈『櫛形山脈』の麓にある。自宅前に農林地が広がり、手前で野菜を造り耕作から収穫まで様々な体験が出来る。奥には山林を切り開いて、キャンプデッキと動物の飼育小屋があり、やぎ・にわとり・うさぎと触れ合うことが出来る。自宅では、孵化したひよこ達が学校デビューを待っている。
 
 「多くの人に自然体験をして欲しい。環境を守る大切さや、命の循環など自然体験を通して伝えて行きたい」という想いから『たいない自然学校』を設立した佐藤陽志さんは、胎内市で育ち大学卒業後新潟市の会計事務所に8年間勤務された。会計事務所で企業の健全化・効率化への取組みを重ねるうち「胎内の豊かな自然の中で育ったので、自然を大切に守りたいという想いを強く持っていた。いつしか、企業の費用効果を重視した効率化への取組みと環境保全との間に矛盾を感じ始め、改めて自分の生き方を考えるようになりましたね。人は自然の恵みの中で生かされているんです。豊かな自然に感謝し、大切に守っていくためには、大勢の人が自然と触れ合い、理解することが大切ですよね」人生の大きな転機となる心の変化を静かな口調で淡々と語る。行動を起こすまでには多くの軋轢があったはずだが、佐藤さんは想いの強さで壁を乗り越え大きな一歩を踏み出した。自然体験の場つくりが佐藤さんの生き甲斐となっていった。

 「ボランティアでもいいやと自然体験の場つくりに取組み始めて間もないころ、たまたま静岡にある自然学校の求人が目に入り応募したんです。なぜか採用されて静岡にいってきましたよ」佐藤さんは静岡で、1年間は小屋や井戸掘りなどの施設造りを学び、その後は環境省からの受託事業である『田貫湖ふれあい自然塾』で、子どもたちから年配者まで幅広い層を対象とした自然体験プログラム造りを学んだ。いつしか、佐藤さんの静岡生活も5年がたち「やっぱり、育ててくれた故郷に恩返ししたいですよね」と、胎内市へ戻ることに決めた。
 
 佐藤陽志さんは今年の4月に胎内市に戻り『たいない自然学校』の準備を始めた。胎内市役所へ挨拶に行くと、市の担当者から「いいときに帰ってきたね」と云われた。胎内市では豊かな自然環境を活かした、地域住民と来訪者の交流を推進する『胎内型ツーリズム』に取組んでいて、民泊受入れ先を地域に求めていた。市役所へ挨拶に行った時が、市の思惑と佐藤さんの想いが重なった瞬間だった。まさに・いいとき・が追い風となり『たいない自然学校』では3組の子どもたちの自然体験を受け入れた。筆者が訪問した当日にも、4組目の地元小学生6人の2泊に渡る自然体験が実施された。野菜の収穫に始まり、まき割り・焚き火を利用した竹炭つくり・家畜の世話など様々な体験の様子を観ることができた。参加した子どもたちは慣れない作業にも生き生きと取組み、子どもたちの「自然をたいせつにする」「命を大切にする」という声が佐藤さんの更なる意欲に繋がっている。

 佐藤さんは「多くの子どもたちに自然体験をしてもらうために、総合学習の環境教育にも取組みたい。そのためにスタッフを集め法人化していきたい」と目標を語る。また、「静岡の自然学校が沖縄に支部を持ち『がじゅまる自然学校』として活動している。がじゅまる自然学校と連携して『沖縄自然体験ツアー』に取組めたらいいな」と、夢を語る佐藤さんの目が輝いていた。自然体験を通して楽しみながら環境保全への関心を高め、その想いを日常の行動につなげていくプログラムの取組みが現実となった今、そこで留まらず、同じ想いを持ち一緒に歩いて行ける仲間を育てていこうとする新たな夢へ着実に歩みを進めている。


たいない自然学校HP
URL:http://tainains.gr.jp/


(2009/9/30 にいがたNPO情報ネットhttp://www.nponiigata.jp 

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