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祭りは人を育てる最適の場 〜NPO法人佐渡芸能伝承機構 松田祐樹さん〜

祭りは人を育てる最適の場 〜NPO法人佐渡芸能伝承機構 松田祐樹さん〜  はつらつとした空気感と語り口、豊かな表情から読み取れるエネルギー、NPO法人佐渡芸能伝承機構 理事長 松田祐樹さんは佐渡市出身、学生時代に一度島外に出、家業を継ぐため島に戻られた。「佐渡の祭り、芸能が好き。だから祭りを追いかけてきました。そんな個人の趣味ともいえることに賛同し、支援てくれる人が増え、その方たちの勧めもあり約一年前NPO法人佐渡芸能伝承機構を立ち上げました」と語る松田さん。

 佐渡といえば、「祭り」「鬼太鼓」を連想する人も少なくないだろう。島内には数多くの祭りがあり、その中の多くで鬼太鼓が舞われるのだ。(「鬼太鼓」を初めて聞いた方のために一言。「鬼太鼓」とは佐渡の伝統芸能で、勇壮な太鼓に合わせて鬼が舞い踊り、それぞれ独自の様式がある)これらはみな各地域・集落に受け継がれている神事としての祭り及び芸能である。しかし近年の人口減・少子高齢化により、地域によっては祭り自体の存続が困難となったり、祭りはなんとか執り行っても鬼太鼓の舞い手がいないなど、祭りの活力が失われ、形も変わっていっている。松田さんは祭りの活気を取り戻し、後世に伝承していくため尽力しておられる。

 佐渡の祭り・芸能の伝承のために松田さんが情熱を注ぐ大きな取り組みの一つが、島外から学生さんを呼び祭りを体験してもらうこと。「祭りは人を育てる最適の場。祭りを通して学生達に成長してもらいたい。地域の人たちと直接交流し仲良くなって祭りを盛り上げてほしい。しかし、地域の人と接するうえでマナーを守ること、思いやりをもつことがとても大切。そういったマナーを学生達に教えたり、時には厳しく接することも自分の役割だと思っています」 
 地元新潟大学を始め、相模女子大学、法政大学、そして海外からはパシフィック大学(アメリカ オレゴン州)と、多くの学生が松田さんのもとにやってくる。その中には、鬼太鼓が好き!だから佐渡に移り住みたい!と具体的に動いている学生さんもいると聞く。パシフィック大学の学生もしかり、一人は農業研修で佐渡を選び、もう一人もALTとなって佐渡に来るぞ!と意気込んでいるそうだ。松田さんが“仲人”になり、地域の人々と学生を結びつけ、祭りが活気を取り戻す。
 「祭り」は島外に出た若者が佐渡に戻る大きな動機付けになっている。佐渡の現人口は約6万5千。しかし、もし佐渡に祭りがなかったらその人口はもっと減っているかもしれない。祭り・芸能の伝承は佐渡に若者を呼び戻し、さらに島外出身の若者さえも惹きつける。そんなプラスのエネルギーが生まれていることを感じる。

 佐渡に学生を呼ぶため、松田さんは国土交通省の「新たな公によるコミュニティ創生モデル事業」を活用している。また、各地域の祭りを追いかけ記録として残してこられた映像や調査結果は「鬼太鼓の伝播を探る」というイベントできっちりフィードバックしている。このイベント開催には佐渡市のチャレンジ事業を活用しており、NPO活動を単にボランティアに終わらせないというスタンスは一目置くべきだと感じた。

 「NPO法人としてスタートし3年を一つの区切りと考えている。必要とされていれば自然と残っていくと考えている」と松田さんは言う。今後は新たな取組みの一つとして、島内でも特に過疎問題が深刻な外海府地区の昔の産業構造を学生と一緒に調査したい、ともおっしゃっている。「そこから祭りの活力を生んでいくことができれば」と。これからも松田さんの動きから目が離せない。松田さんが一つの区切りとする2年後には、今まで以上に必要とされているNPO法人佐渡芸能伝承機構の姿が見えるようだ。


NPO法人佐渡芸能伝承機構
ブログ http://sadomaturi.blog81.fc2.com/

理事長 松田祐樹さん
ブログ 佐渡祭譚 http://sadomaturitan.blog37.fc2.com/


(2009/8/25 にいがたNPO情報ネットhttp://www.nponiigata.jp 

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