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「足元からの活動、見返りは新発田と地球の未来」       〜佐藤恭子さん〜

「足元からの活動、見返りは新発田と地球の未来」       〜佐藤恭子さん〜  「CO2や地球温暖化のようなかたい言葉を並べられても、あまりピンとこないのが正直なところで」と語るのは、新発田市にお住まいの佐藤恭子さん。NPO法人「ユー&ミーの会」(以下、「ユー&ミー」)の理事長を務めている。「“○○をやればちょっとごみが減るかもね”というような、足元から問題を見つめることが大切だと思うんです」。

 環境対策について「出来る範囲でやればいいのでは」と半ば自分に問いかけるように語る佐藤さんは、昨今のエコブームに対しても首をかしげる。「なんだか地球環境を守る為に不便な生活を強いられているような気がするんです。無理をする必要は全くない。自分の出来る範囲でやれることをやればいいと思います。だから私は、レジ袋を貰わないこともあれば、大量に貰うことあります(笑)」と笑いを誘いながらも真剣な面持ちでこたえる。

 「ユー&ミー」は、二重底のバケツ(以下、バケツ)を利用し、生ごみを堆肥にして循環する仕組みを作り上げた。新発田市内の小中学校や会員宅にバケツを配布し、残さの回収・分別指導を行っている。また、3年前から新発田市より委託を受け、6つの生ごみ分別回収モデル地区で生ごみの分別指導も行っており、世帯数は800軒を超える。これらの取り組みは全て、市民ひとりひとりが環境問題を身近なものとして考えてもらう為の活動だ。およそ12年前から始めた会員宅への生ゴミ回収においては、当初は10軒のみの回収だったが、くちこみで評判が広がり、今ではおよそ100軒の家庭で生ごみの回収を行っている。
 きっかけはごみステーションでのボランティアだった。「ごみステーションでしっかり分別がされているか。そんなチェックをするボランティアに参加しました。そこでは持ち込まれるごみが分別されていなかったり、水分をしっかり切っていなかったりと、雑さと汚さが目立っていました」と当時の状況を振り返る。この状況を「何とかしなきゃ」と思いたち、「足元から見つめた」結果、生ごみと水分を分けて堆肥にする仕組みを考えたのだ。
 

 仕組みはこうだ。学校給食や家庭での残さをバケツへいれ、「ユー&ミー」がバケツを回収。回収した残さをリサイクルセンターへ持ち込み堆肥化。出来上がった堆肥を地元の農家に配り、農家が育てた作物が給食や食卓に提供される。この仕組みを利用することによって資源の有効活用が可能になり、市民に資源を意識させることができる。しかし、とかく学校側から理解を得られるまでには時間がかかった。「学校は特殊なコミュニティなので、入り込むことがなかなか難しい。“においが出るのではないか”とか“誰が処理するんだ”と、色々言われましたね。全くの部外者がバケツを持って現れるのですから尚更です。しかし地道に学校をまわる中で、一人の校長先生が賛同してくれました。その校長先生の働きかけもあり、今年からは9つの小中学校にバケツを配布することができています」。また、日々学校に入り込み子どもたちと触れ合うことで、子どもたちに変化が現れたようだ。「残さの量が少しずつ減少してきました。子供たちは自分たちの手で残り物をバケツに入れるので、その行為のおかげで子どもたちの資源に対する意識が高くなってきました」と、笑顔で語る佐藤さん。「学校で気付いたことを家に持ち帰り、母親に指導する子もいる」そう。家に帰れば子どもたちが先生となって資源の大切さを伝える。佐藤さんの「足元」からの活動が、地域を巻き込み、市民の意識を変革しているようだ。

 「これからも、子どもと地域に密着した活動を続けていきたいと思います。見返りは新発田と地球の未来でしょうか」地道ながらも確実に社会を変化させている佐藤さん。力まず、小さく、少しずつ変化を促すその姿勢は、佐藤さんにきっと大きな「見返り」をもたらすだろう。
 
(2008/12/20 にいがたNPO情報ネットhttp://www.nponiigata.jp/

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