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やっていて楽しいことをやれる、そんなオルタナティブな生き方を  〜阿部幸恵さん〜

やっていて楽しいことをやれる、そんなオルタナティブな生き方を  〜阿部幸恵さん〜  阿部幸恵さんは東京やオーストラリアなどで、人権やオルタナティブなどの概念に出会い新潟に帰ってきた。「自分なりの生き方・やりたいことをやれる生き方ができる社会に」と、様々な人に呼びかけながら、シンポジウムの準備に奔走している。 

 新潟市の米山の出身の阿部さんは、子どものころからエレクトーンに熱中し、将来は音楽の道に進むことを考えていた。しかしあるとき、ただ音楽を演奏するだけでは自己満足になってしまうのでは、と思ったという。「高校生くらいから人の役に立ちたいという意識になったんですよね。そういう年齢だったというか。だから初めて献血しに行ったときに、『ああ、これが誰かの役に立つんだ』って感動したことを覚えています。」
 高校時代には、日本赤十字に入り、老人ホームなどでのボランティアに参加。東京の大学で社会福祉を専攻した阿部さんは、卒業後、東京八王子にある障がい者支援の事業所に勤務するようになった。一般的に障がいを持った人たちは、親元で暮らすか施設に入るかのどちらかという考え方が主流だが、その事業所では「障がいがあっても地域で当たり前にくらしていいんだ」という考え。その方針のもと、介助サービスや移送サービスだけでなく、自立生活のための外出や調理などのプログラムを実施していた。
 そこで介助コーディネーターとして、介助者とのマッチングや研修などを担当。「そこにいたことで人権意識というのを育てられましたね」

 しかしその事業所は3年ほどで退職。「仕事は面白かったんですけど、やりがいがありすぎたというか。政策提言などもしていたので専門知識なども学べたんですけど、あまり一つのことに専門になりすぎるのもどうかと。他の世界のことも知りたいと思ったんですよね」。

 退職後、次に何をするかを考えていたところ、漠然と環境問題をやりたいと思うようになったという阿部さんは、オーストラリア出身のビル・モリソン氏が提唱したパーマカルチャーという概念に出会う。パーマネント(permanent=永久的な)とアグリカルチャー(agriculture=農業)を合わせた造語で、恒久的で持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系のこと。その考えに惹かれた阿部さんは、3年ほど派遣社員として働いた後、ワーキングホリデーでオーストラリアに渡り、有機農業を実践している農家を訪ね歩いた。 「そうしていく中で、ヒッピーの人たちに出会ったんです。決められた生き方ではなく、自分たちが良いと思った生き方をしている人たち。オルタナティブ(もう一つの、型にとらわれない)な生き方に出会って、カルチャーショックを受けました」

 日本に帰国した阿部さんは、国内でも有機農業に取り組む農家めぐりを行った後新潟に戻り、現在はマッサージ師・有機農業の事務所の事務局などを掛け持ちしている。また、畑を借りて農作業にも取り組んでおり、そうした中で、新潟市の北区を中心に子育て支援のための研修会や子ども向けのキャンプなどを行っている市民団体「子育て支援ネットワーク・ライツ」のメンバーに出会い、活動に参加するようになった。
 「次代を担う子どもたちの人権を守っていこうというのが根本にあるんです。メンバーはみんな柔らかさがあるというか、人権とかジェンダーとかそうした意識を共有している中で動けるのは、心地よさがありますね」

 現在、阿倍さんが取り組んでいるのが、来年2月1日に実施予定のエッセイスト・雨宮処凛氏のトーク&シンポジウムだ。雨宮氏の著書『生きさせろ!』を読んで、共感する部分があったという。「本を読んで、今までぼんやりと感じていたものがはっきりしたんですよね。日本では勝ち組とか負け組に分けられて、個人の責任にさせられているけれども、それは格差社会という構造的なもので、個人が悪いんじゃないということに気付いてほしい。」

 やりたいこと・楽しいと思えることを、素直に正直にやれる心地よさ。そうした考えを広めていきたいと、日本に帰ってからずっと考えてきた。「オーストラリアでは大げさに言えば2人に1人は自分で家を手作りにしたり、学校の先生だけど1年の半分はインドに行っているという人がいたりしますから。羨ましいな、人生を楽しんでるなって思いました。」

 来年2月のトーク&シンポジウムも、月1回程度準備会を開催しながら、興味がある人には誰でも参加してもらって、一緒に話し合いながら準備をしていきたいと考えている。「この企画も、漠然とはしているけれども一人一人に人権があって、自分なりに生きる権利があるんだよ、ということを伝えたい。そこが根っこの部分にあって、いろんな人たちの想いの共通項を探しながらやれたら良いですね。」

「090201『生きさせろ』事務局(仮称)」の連絡先はhepati@msn.com

(2008/7/22 にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp 

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