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「笑い」でつなぐ人と人 ―森山一理さん―

「笑い」でつなぐ人と人 ―森山一理さん―  南蒲原郡田上町内の国道403号線を車で走ると、突如スパイダーマンの看板が目に飛び込んでくる。森山一理(もりやま かずみち)さんのグラフィックデザイン事務所有限会社「モリデザインワークス」の看板である。意表をつく絵柄をみた方から「仕事を注文されてねー」と楽しそうに語る森山さんは、本業の広告美術デザインの仕事にとどまらず、県内外で地域づくりの活動をおこなってきた。ただ普通の地域づくり活動と一味違うのは「笑い」と「明るさ」が森山さんの活動に満ちていることである。仕事も活動も、つねにユーモアとウイットにみちた愉快な「笑い」のなかで、多くの人と人を結び付けてきた。
 それは、イベントプロデュースの「蜘蛛野糸えもん笑店」主催のイベントや雑誌「笑典」の発行、テレビ、舞台や結婚式場、さらに路上でも「棒芸」などの独自のパフォーマンスで活躍する蜘蛛野糸えもん=スパイダーマン(森山さんの扮装!)などすべて共通している。

 森山さんは、昭和32年(1957)新潟県加茂市生まれ。6人兄弟の4番目として育った。高校在学中、漫画家になりたくて手塚治虫らに作品と手紙を送り、直筆の返事がきたこともあった。18歳の時に、兄弟全員で「一栄吹奏楽団」を結成、30年を越える活動となり、今も加茂市の雪つばき祭りや新潟まつりのパレードの演奏に参加している。
 昭和57年(1982)、24歳のとき結婚、独立してデザインの仕事を始めたものの森山さん曰く「飛び込みで営業しても1勝199敗」で苦労を重ねた。そんなとき、「面白い人と面白い人を結び付けてくれる」知り合いの紹介で出会った、湯田上温泉の落語好きな主人とともにお笑いのトリオを結成、活動を始めた。その仲間たちと昭和62年(1987)、「除夜の花火を打ち上げる会」を立ち上げ、賛同者を募り108発の花火を打ち上げてきた。この「除夜の花火」は、以来20年間大晦日の田上の夜空を彩ってきた。
 さらに昭和61年から始まった田上町のボランティアによる野外コンサート「せーばなる」を立ち上げ、運営、出演し、活動の幅はどんどん広がった。
 このころ、森山さんが始めたのは、懇親会では、必ず自己紹介と近況報告をする、ということだった。「懇親会で何もなく、会合が終わってしまうのは面白くない」のではじめたこの方法が、今では様々な会合で定着し、人と人を結びつけることになってきたという。
 これら森山さんの多様な活動は仕事にもいい意味で反映し、昭和62年(1987)には、現在の有限会社モリデザインワークスを設立、広告美術デザインの仕事でも大きく飛躍していくことになった。

 森山さんがスパイダーマン=「蜘蛛野糸えもん」へ「変身」することになったきっかっけは平成3年(1991)、新潟市万代シテイでおこなわれたハロウィン仮装フェスティバルに社員と一緒に参加したときだった。その際、スパイダーマンの仮装で登場した所、2回連続で大賞を受賞することになった。しかし、この扮装を選んだのは「一番簡単そうだったから」というのが実に森山さんらしい。
 赤いマスクに赤いシャツ、紫のタイツというインパクトある蜘蛛野糸えもんの扮装とパフォーマンスが話題を呼び、全国ネットのテレビ出演やFM局のDJも勤めることになった。
 さらに平成4年(1992)には芸人さんのプロモーションやイベントの運営をおこなう「蜘蛛糸えもん笑店」を設立し、「笑いの鉄人たちのライブSHOW」や旧白根市の「おらシロネもん」など多くのイベントを手がけることになる。また同笑店で、平成6年(1994)から笑いをテーマにしたミニコミ誌「笑典」の発行もおこなうなど「笑い」を中心にすえて活動を進めてきた。
 この間、地域づくりアドバイザーとして森山さんは「発想の転換」を語る講演活動もはじめた。ここでも「大変おもろい」講演を展開している。黄色のど派手なジャケットに蝶ネクタイ、手には似顔絵入りのプラカードをもって軽快な音楽で登場、堅苦しい講演会を一気に笑いにあふれた場にしてしまう。このプラカードは仕事でも活用され相手先から喜ばれている。

 この時期森山さんは、県主催のまちづくりコーディネーター養成講座の第2期に参加し、活動のフィールドを広げた。同じく養成講座に参加した加茂市の桑原隆さんらと立ち上げた「心の苗を育てる会」である。子どもの誕生を記念して桐の木を植え育てるという文化に着目して、その現代版として始めた活動は、加茂市の山に桐の林が出来るまでになった。植えた桐の木の前には、植え主から大切な人へのメッセージボード(これももちろん森山さんの手づくり)が立っている。このメッセージを広く全国から募集した「一子一詩コンテスト」も大きな成功を収めてきた。

 森山さんは、自身を「色々なことをいつも考えているタイプだが、楽天的」だと評する。創業時の厳しいときも常にポジティブに考え行動してきたという。その根底には「念ずれば花開く」(坂村真民)を座右の銘にしながら「面白い人と人を結びつけ、その笑顔を見ることが好きだ」という想いがある。

 現在、本業の広告美術デザイン、それにこれまでの活動はもちろんのことNPO法人にいがた朱鷺めきワークスの副理事長やNPO法人エコロージーネットワークでも活動している。さらに個人的に就労支援、元気づけ、パワーづけの活動もおこなっている。
 「蜘蛛糸えもん笑店」は、2007年の今年、15周年を迎える。それを記念して9月15日、9月16日に新潟ユニゾンプラザと加茂文化会館で記念イベントを開催する。
 そこではマジック、パントマイム、三味線とともに、スパイダーマン=蜘蛛野糸えもんの棒芸も登場する予定である。

 今日も森山さんは「蜘蛛野糸えもん」へと変身していく。「人と人を結び付け」「笑顔を生み出す」ために。

「モリデザインワークス」のホームページ http://www6.ocn.ne.jp/~mdw/index.html

(2007/06/14 にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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