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心の駅をつくりたい −若林和枝さん−

心の駅をつくりたい −若林和枝さん−  中越地震の直後、最大で1500人が避難した小千谷小学校。停電して水が流れなくなったトイレは、完全に汚物がつまり溢れ返っていた。当然、ひどい臭気がただよい、人々が避難している室内まで充満していた。

 「ごく普通の主婦だったんだけど、震災がきっかけで人生が変わりました。」 青森から小千谷に嫁いで18年。若林和枝さんは、この秋、NPO法人「おぢや元気プロジェクト(OGP)」を設立した。避難生活が終わり、家の片付けも一段落してきた頃、周りから聞こえてきたのは行政への不満や対人関係のストレスばかり。愚痴や悪口ばかり言ってても何も始まらない。自分たちで出来ることはやっていこう!と、憑かれたように書いたノート数十ページ分の「想い」をご主人に見せ、相談したところ「いいことだね。協力するよ。」と答えてもらった。家族の応援も得ながら、共感してくれそうな人を回った。避難所でボランティアをしていた人など10人の発起人が集まり、この9月にNPO法人として県の認証を受ける。目指すのは、団体名の通り「小千谷の元気」だ。

 若林さんは、底抜けに明るい。とにかく何をするにも前向きで、その元気と想いに引っ張られ、現在の会員は20名を超える。新潟、長岡、魚沼、東京、群馬といった小千谷市外在住の会員も多く、法人の設立を記念して開いたパーティーには、市長を含めて120人が集まった。今、小千谷では、そんな想いの連鎖が広がっている。

 避難所のトイレの惨状を見た若林さんは、居ても立っても居られなくなり、素手で大量の汚物を片付けた。それでもトイレは、片付けるそばからすぐに汚れる。結局、朝から晩まで、たった一人で汚物と格闘した。やがて手足が痺れ、動けなくなるまで掃除をし続けた。「今思えば、周りに声をかけて交替でやればよかったのよね。その時は、そんなこと考えてる余裕もなかった。」 その後、市の職員が気付き、住民が当番で片付ける体制ができた。土足で入っていたがスリッパを使用したおかげで、衛生状態もよくなった。そうすると若林さんは、次の「やること」を探して炊き出しや連絡文書の配達などに動き回った。あれこれ考える前に、動かずにはいられない。ポジティブなパワーとボランティア精神の固まりだ。

 そんな若林さんも時には立ち止まったり、悩んだりすることもある。「人間はみんな同じ。みんな、喜怒哀楽も悩みももっている。それをいい方に向けていくには、環境が大事。地域も年齢も立場も、何の垣根もない、誰もが気軽に集まれるオアシスの様な場を、小千谷の街の中につくりたい。」 若林さんは、OGPの活動の中にそんな夢を描いている。名づけて、「心の駅」。それは、世代を超えた交流の場であり、訪れる人が夢を語り受け止めあい、幸せな気持ちになる。この幸せが次から次へと伝染していく。今、若林さんの頭の中には、そんな場をつくるためのアイディアが次から次へと湧いている。つらい思い、苦しい思いを経験してきた人だからこそ、だれに対しても開かれた「心の駅」をつくれるのだろう。

(2005/12/10 にいがたNPO情報ネット www.nponiigata.jp)

特定非営利活動法人おぢや元気プロジェクト
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