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「地域で生きる」を合言葉に―内山 孝子さん―

「地域で生きる」を合言葉に―内山 孝子さん―  新潟市青山に「ねのねっと結屋」というちょっと変わった名前の居場所がある。代表の内山孝子さんたちが、「地域で生きる」を合言葉に昨年4月に立ち上げた会員制の団体だ。「ほっと息抜き・レスパイトサービス」「親業講座」「『であい』の発行」「パンフラワーや書道等の各種教室」の4つのサービスを主に行っている。

 「ねのねっと結屋」という名称は始め「音の根っと結屋」という漢字で書いていた。「今まで誰にも言えなかった本音を話そう。人と人の関係にある根っこの部分を大切にしよう。その人たちをつなげることができるといいね。」という思いからこの名前に決定したという。「障害をもっている子どもたちのお母さんたちの話を聞いていると、家族にも友達にも言えない本音を聞くことがあるのです。ここでは安心して、自分の気持ちを声に出せるということを伝えています。」県立養護学校に勤めていたこともある内山さんはお母さんたちの悩みや不安を聞くことがあり本音を話せる場が必要であると考えていた。特別なことは何もせず、ありのままを受け入れる「それでいいんだよ、何があってもこうして私たちは生きているじゃない」と内山さんはさらに語ってくれた。

 利用している人たちからNPO法人にしないのか、と聞かれ改めて会の理念を考えはじめた。「地域で生きる」を合言葉に、少しずつゆっくりと活動してきたからこそ人とのつながりが生まれてきたと思っている。「法人として大きな組織になると、そこからこぼれていくことがあると思うのです。そういうことを拾いあげてきた私たちがまたこぼしてしまうことは出来ない。」とNPO法人にならない理由を教えてくれた。

 4つのサービスのうち、1994年4月から発行している「であい」は「地域に生きる」をテーマとした文集である。10年前から編集している同集は現在25集まで発行している。「普通の人たちの声を集めた文集です。文章が下手とかうまいとかは関係ないから、自分の気持ちを大切にしようよ。」そう言って内山さんたちは投稿してもらっている。県外からの投稿も多く、毎回の編集作業は大変なときもある。「投稿された手書きの文章をパソコンで打ち込んでいると、一人一人の気持ちが伝わってくるんです。不思議ですね。」そう言って内山さんは10年間すべての文集を見せてくれた。

 5月22日に行われた「ねのねっと結屋」開設1周年イベント「当事者主権について考える集い」は、障害のある人もない人も、お年よりも子どもも、地域で当たり前に、普通に暮らしていくためにはどうしたらよいのかを参加者と一緒に考えた。参加者はテーマを決めグループで自分の気持ちを話しあった。内山さんご自身も4人のお子さんのお母さんであり、子育てについての悩みや疑問があったという。「お母さんたちの声がいっぱい詰まった文集になりそうです。自分の思いを言葉にすること、そしてそれを言い続けることをお手伝いしているだけです。」グループで話された内容は次号の「であい」26号に掲載される予定だ。

 親業インストラクターでもある内山さんは「ねのねっと結屋」内でも講座を開催している。親業とは親と子の関係・あなたとまわりの人との関係をよりよいものにするためのコミュニケーションの取り方を具体的、体験的に学ぶものである。「親業って名前の響きから、親でなければ参加できないと思われがちですが、人との関係すべてに通ずるものです。」今まで開催してきて、若いお父さんや独身の方の参加が増えてきたのも、学ぶことで自分の親との関係や周りの人との人間関係がうまくいくということが社会に伝わってきたからではないかと内山さんは感じている。

 「自分をまず好きになること。そのためには何を言っても大丈夫という安心できる場所って必要ですよね。」そう語る内山さんも周りからのいろんな声に押しつぶされそうになったこともあったそうだ。それでも「地域で生きる」を合言葉に活動をされているのは人とのふれあいを大事にされているからだと感じた。内山さんたちの理念がしっかりと根をはり、そこに暮らす人々にとってかけがえのないものとなる日もそう遠くない。

ねのねっと結屋のホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/musubiya/

(2004/7/10 にいがたNPO情報ネット www.nponiigata.jp)

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