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STOP “NO WHY”! LET’S “KNOW WHY”!! ―オーガスティン・アウニさん―

STOP “NO WHY”! LET’S “KNOW WHY”!! ―オーガスティン・アウニさん―  「人権を英語で書くと『Human Rights』。じゃあ逆にするとどうなりますか?」 テーブルから離れると、アウニさんはホワイトボードに書き出した。

 「Human Rights」

 人権の反意語・・・。しばらく首をひねってみたがパッとは思い浮かばない。

 インタビューをさせていただいているのはこちらなのだが、時折アウニさんからは難解な質問が飛ぶ。例えばごみ拾い。「みんながごみを拾うじゃないですか。それはいいことですか」。うーん・・・。いいとも言えるし悪いとも言えるような気がする。単純に考えればいいことのように思えますね、との答えに「そうですね、単純に考えればいいことですね。じゃあ拾っても拾っても拾いきれない。そういう場合はエネルギーの使い方が無駄じゃないですか。哲学のないやり方だとエネルギーの無駄遣いだけ」。

 オーガスティン・アウニさんはガーナのプアルグのご出身。ガーナで黄熱病の研究を行ない、自らも発病し亡くなった野口英世は非常に有名。アウニさんも日本に興味を持ち、日本のことを調べるうちに「なぜ」が始まった。日本は国土の73%が山で石油や石炭などの資源もほとんどないのに、なぜこれほど発達しているのか。

 1988年にアウニさんは大和町の国際大学の大学院生として来日、国際政治経済を専攻した。卒業後、大学の講師などをしながら何度か日本とガーナを行き来する。日本で博士号を取ろうと考えていたが1994年、「ガーナに帰ったときに故郷の学校がひどくて。屋根もないような大変な環境で子供たちが勉強している姿を見て博士号を取るよりも、学校を直した方が」と考え、日本で支援活動を始めた。活動は多くの人の支持を得、またマスコミにも取り上げられた。2001年には小学校が完成、中学校も建設された。「小学校が出来た、中学校も出来た。じゃあこっち(ガーナ)から返すものは何ですか」。

 2003年にアウニさんが立ち上げたNPO法人「EDO」。「EDO」はEducation、Development、Organizationの頭文字から取ったものだが、日本の「江戸」時代という意味もある。「江戸時代は鎖国でよその国に頼らないでやってきた。石油や金属などを資源とすれば日本には資源がないけど、日本には水と森がたくさんある。それプラス人材。寺小屋を作るなどして日本は教育に熱心だった。人間は日本の財産なんです」「今リサイクルとかボランティアとか言われてるけどカタカナですよね。江戸時代には糞尿までリサイクルしてたし、たすけあいも日常的に行われていた。だからわざわざ違う名前を作らなくても済んだわけね」。日本の歴史の中で江戸時代が一番好きだという。アフリカと似ている部分もあるのだそうだ。しかしそうした江戸時代の良さは失われつつある。

 「人権を英語で書くと『Human Rights』。じゃあ逆にするとどうなりますか? 『Inhuman Lefts』。非人間として取り残された人々。日本には『Inhuman Lefts』がたくさんいるんです。それなのにすぐ近くにいるそういう人たちを見ようとしない」。教育には家庭、社会、学校という3つの柱が必要だが、日本は学校に教育を任せきりで勉強さえ出来ればいい人となっている。目先のことしか考えられず、人間らしさが落ちてきている。「ガーナでは3つの柱はまだしっかりしてるから。ガーナには日本で失われたことはまだあるんだから、国際協力しながら取り戻そうというイメージで『EDO』というNPOを立ち上げたんです」。

 交流をしながらお互いの良いところを学び合う。それが国際協力。しかしアウニさんは日本の国際協力には不満がある。「日本の国際協力は私たちの国は豊かなんだよ、やってあげるんだよという考え。一方通行。そこに行って何を学んでくるかが大事」。また日本人は自分の国のことを知らなさ過ぎるという。「日本の面積、人口、どのくらいのパーセンテージが山か、森か、川か、分からない人が多い。そういうことが分からないのに国際協力ってどういうことなの」。

 再びアウニさんからの質問。「日本は平和ですか」。
 戦闘行為が行われていないという意味においては平和だと言えるかもしれない。色々なところで同じ質問をされているそうだが95%の人が日本は平和だと答えるそうだ。しかし「戦争では人が死にますけど、日本では毎年3万人が自殺している。大きな戦争をしてもそんなに人は死なない。それを平和と言うのですか」。
 考えさせることが「EDO」の目的だという。今までの教育は知識を学ぶことだけで、考えさせるということはなかった。「なぜ」がなかった。「EDO」のスローガンは「STOP “NO WHY”! LET’S “KNOW WHY”!!」 「なぜのない世界をやめましょう、なぜを知りましょう。なぜのない世界では既にどんな質問でも答えができているから深く考えないんですよ」。

(2004/6/11 にいがたNPO情報ネット www.nponiigata.jp)

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