にいがたNPO情報ネット
 フォントサイズ: 

少年たちを遠くから見守る兄貴−平野英功さん−

少年たちを遠くから見守る兄貴−平野英功さん−
 スケートボードやインラインスケート、BMXなどが1年中楽しめる施設「日本海スケートボードパーク」が、新潟県村上市に昨年できた。管理・運営しているのは「日本海スケートボード協会」という任意団体。同協会をまとめているのは事務局長をボランティアで務める平野英功さん。ボードパークを使用するのは、平均20歳前半と大変若い。平野さんも33歳と若く、パークの中では「頼りになるお兄さん」といった雰囲気だ。

 平野さん自身は、スケートボードやスノーボードは行わないが、サーフィンを学生時代から楽しんできた。一旦は団体職員として勤めたものの、好きなサーフィンをもっと続けたいという強い思いから退職し、サーフショップを経営してきた。「かっこよくいえば、夢を追いかけたっていうことかな。でも、家族には心配かけましたね。」
結婚し、今では3人のお子さんがいる平野さんは、聖籠町にあるサーフショップへ村上市の自宅から通っている。

 サーフィンにしか興味がなかった平野さんが、スケートボード、スノーボードの奥深さを知ったのは昨年のことである。東京でサーフィンに使用する道具の展示会があったとき、スケートボードやスノーボードのコーナーも設けられていた。小さい子どもたちも楽しむことができるスポーツとしてアメリカなどではすでに人気があるが、日本では一部の人、特に若者にしか注目されていない。「もっと身近なスポーツとして、たくさんの人にスケートボードの楽しさを味わってほしいと思います。」と、今年も各地の様々な催し物に出張していく計画であるという。昨年は、岩船フェスティバルや荒川フェスティバル、聖籠町スポーツレクリエーションでスケート教室を開催してきた。
「プロのインストラクターがきちんと教えるので、初心者でも大丈夫です。気軽に声をかけてみてください。」とPRにも力を入れている。

 「日本海スケートボード協会」の有給スタッフは、プロのインストラクター1人、事務員1人、アルバイト2人である。事務局長を務める平野さんはボランティアのため無給である。「本業のサーフショップがあるので、毎日はパークに行けないのですが、やっぱり気になるんですよ。今日は誰が来てるかな、とか考えちゃうとついつい足が向いてしまう。」面倒見のよさを言葉だけではなく、行動で表す性格には若い人からの信頼も厚い。

 「日本海スケートボードパーク」は、平成15年4月1日に村上市が旧市民体育館を改装し、同協会に運営を委託した。改装に踏み切ったのは、中高生から20歳前半の若者による「スケートボードが安全に楽しめる場所がほしい」という声からであった。その声を地元の行政、地域の人たちに納得してもらうために説明を行ってきたのは平野さんたちであった。「パークができてからの運営もそうですが、できる前の話し合いなど、本当に苦労しました。でも、応援してくれる人たちもたくさんいて、いろんな人に支えられてここまで来れた気がします。」と感謝の気持ちを忘れない。「熱意だけでは伝わらないことがあります。若者からパークについての相談をされたとき、自分たちの要求だけでは駄目だと考え、何が提供できるのかを話し合ったんです。」

 そんな時、知人から「都岐沙羅の元気作り支援事業」のことを聞いた。村上市を中心とした7市町村で活躍する様々な団体に助成金を交付する同事業は、審査会などすべて公開されている。「パークができて1年が経ち、自立のときを迎えていましたが資金がなかなか調達できなくて悩んでいました。同時に、活動をPRできるチャンスだと思ったんです。」平野さんは同事業に申請することを決め、4月17日の公開審査会に望んだ。当日は、日ごろパークを利用している若者たちが自主的に応援に駆けつけてくれ、見事200万円を得ることができた。「自分も人前で話をすることが苦手なのですが、彼らが参加してくれたことはすごく嬉しかったし、その機会を与えてくれた支援事業に感謝しています。」

 スケートボードをきっかけとして、目標をもってそれに向かって進むということが、若い人たちや自分の親子関係にプラスになっているという。「どんなことでもいい。親子が一緒に考え、行動するってことが大切なんじゃないかな。」そう言ってお子さんたちの将来などについても語ってくれた。パークでは年齢の異なる少年たちが、互いの技術を教えあっている光景が見られたが、それを遠くから見守る平野さんの眼差しがすべてを物語っているようだった。
(2004/5/10 にいがたNPO情報ネット www.nponiigata.jp)

TOPへ戻る 一覧へ戻る