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星に夢を託して30年―小千田(こせんだ) 節男さん―

星に夢を託して30年―小千田(こせんだ) 節男さん―  東蒲原郡三川村にあるNPO法人みかわ天文台は「子どもから大人まで、障害のあるなしに関係なく誰でも星が見られる天文台」を目指している。30年前からこの天文台の実現を夢見てきた、台長の小千田さんはここまでの長い道のりをこう振り返る。「30年というと長かったように思えるが、あっという間でした。ここまでいろいろな人に支えられてきたのだと感じています。」

 天文台を建てるため、土地探しを開始した20年前は、活動に対する周りの理解が得にくかったという。「そのころは環境や教育といったことが社会でそんなに話題になっていなかったと思います。土地探しをしていると、どこかの宗教と間違われたり、怪しい人だと思われることもしばしばでしたね。」ここ何年かの間に「環境教育」や「福祉」といった考えが社会に浸透してきたことで、小千田さんの思いに共感する人たちが現れてきたという。「天文台を訪ねてくる人は、50代60代の男性が多いですね。子どもの頃の夢やロマンを大人になっても忘れずに持ち続けている人と出会えるのは、私も嬉しいです。」

 みかわ天文台のスタッフは現在約20名。天文台の完成に向け、皆ボランティアで参加している。「どこで人はつながっているか、世の中わからないものですよね。人の出会いは本当に大切にしています。こうして、私のことをノンプロフィットな人にとりあげていただけたのも、いろんな人とのつながりがあってこそだと思います。」小千田さんは、県外にも講演の依頼があれば出かけるなど、積極的に活動を行っている。

 最近では、小・中学校の総合学習で生徒がたびたび天文台を訪れる。「嬉しいことに、子どもたちを引率していることを忘れたかのように、先生たちが夢中で星を眺めていましたね。」夜空の星の輝きには大人も子どもも関係なく、わくわくさせる要素をもっているようだ。
「子どもたちと別れるとき、『夢を諦めないでほしい』と必ず言います。自分もまだ夢に向かって歩き続けているので、説得力があるみたいです。」

 「思いを形にするのは、自分ひとりだけではできない。色々な人たちの協力を得て現実に結びつく。」と小千田さんは改めて振り返る。天文台を作りたいという思いだけで、山小屋を三川村の山の木だけを使って、皆の力を借りて建てることが出来たのである。「多くの人に星の話をしたり、実際に星をみせたりしたい。そのために自分はいるのだと思っているのです。」と熱く語ってくれた。

 今年の目標は、インターネット天文台を開始することである。10年ほど前に障害をもった子どもが訪れた時、あまりの感動に家に帰っても星を見たいと連絡がきたことがきっかけであった。「いつでも、みかわ天文台からの星を見られるようにしたいと思っています。星を見ることによって子どもたちに何かを感じて欲しい。」
どうしても三川村までやってこれない子どもたちには、小千田さんたちが望遠鏡を持って施設へ出かけることもある。「言葉をうまく発せられなくても、体を精一杯動かし、『もっと見たい』と訴えかけられると、何度でも抱きかかえて望遠鏡を覗かせます。」

 星がきれいに見える環境を常に気にかけている小千田さんは、これからの地球環境や子どもの教育についても話をしてくれた。「山の空気、川の流れ、海の水、すべてつながって地球をつくっているのです。広い宇宙に地球という星があるというすばらしさを子ども達にもっと伝えたい。」宇宙の中に、地球があるということを少年のような心で語る姿に、だれもが引き込まれてしまうだろう。

みかわ天文台
http://mikawa.org-co.com/

(2004/3/10 にいがたNPO情報ネット www.nponiigata.jp)

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