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第二の人生で星空NPO−長野親情さん−

第二の人生で星空NPO−長野親情さん−  「私は一度死んでるんです。一度死んだんだから、何でもできると思っています。」
笑いながらそう話す長野親情(ながのしんじょう)さんは、三条市を拠点に天体の魅力を広めるNPO「星空ファクトリー」の代表だ。任意団体ながら、「NPO法人の認証をうけるのに必要な書類は全て揃っている」というほどの本格派である。
 「一度死んでいる」というのは、今から3年半ほど前に、当時やっていた建築関係の仕事中に起きた事故のこと。3日間意識不明の状態が続き、その後も3ヶ月間の入院生活を送った。後遺症が今でも左半身に残る。当時長野さんは33歳。職を失い、これからの人生について考えていたとき、「やりたいことをやらなければ」という強い思いが宿った。
 天体観測は中学生の頃からの何よりの趣味だった。高校に入り、仲間達と共に「三条天文同好会」をつくって、その会長を務める。最初は高校生だけだったが、街灯のない空気の澄んだ場所まで星を見に行くには、車を運転できない彼らだけでは実に不自由だった。専門誌などで会員を募集したところ、中学生から70代のお年寄りまで、ピーク時で50人以上もの会員を抱える大サークルに発展。高校生の時点で既に抜群の行動力をもっていた。
 事故を契機に、「同好会」よりも積極的に社会に働きかける活動がしたくなった長野さんは、それまで温めていたアイディアを実現に移すべく、「星空ファクトリー」として同好会から分離・独立した。学校や町内会などに積極的に活動をPRし、天体観測会や講演会を県内各地で行っている。
 長野さんは、仕事の受け方にあるこだわりを持っている。それは、「無料有償」というもの。「無料」とは、実費以外のサービスそのものには料金を課さないということで、「有償」とは、その見返りとして事業に対する評価や気づき、学び、活動への協力などを何らかの形で会にフィードバックしてもらうというもの。日本にはボランティアに対してお金を払うという習慣がまだできていないことから、お金以外の形で団体の活性化に結びつくものを提供してもらい、良い循環を作り出そうというアイディアだ。
 「一番の財産は『人』です。私達の活動に共感をもってくれる人が増え、県内各地に自分達で事業を展開できるような人材が育ってほしいと思います。」
 現在、星空ファクトリーの会員は約60人。今のところ法人化には慎重な姿勢だが、会員数が何百となってくると実務上必要になるかもしれない、と長野さんは言う。理想は、各地で天文NPOがたくさん立ち上がり、星空ファクトリーがそれらをコーディネートするという形。そのときは、今「無料有償」で蓄積しているノウハウや情報を、どんどんそうした団体に提供していきたいとのことだ。
 天文は、実に幅の広い教育素材である。歴史や神話、音楽、文学、民俗学、工学、物理学、さらには占いまで、星をテーマに展開できる世界は無数にある。長野さんは、そんな星の魅力についてこう語る。
 「世情が殺伐としていて、自分の存在に疑問を感じながら生きている人が多いと思うんですが、星を見ていると『自分がここにいる』って言うことが実感できます。星にはそんな『癒し』の力があるんです。」
 星空ファクトリーのホームページには、長野さん自身が描いたイラストが、星をモチーフに夢いっぱいに広がっている。以下は、そのホームページからの一文だ。

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 星に理屈はいりません。天文普及をしようとも思いません。
ただ、私たちはこの満天の輝く広く広大な星たちの仲間であり、また、ちっぽけですがただ一つの「自分」で、この事をしっかりと受け止めて欲しいだけです。
 星を見ているといつもこう思います。「宇宙は限り無く大きい。自分は小さい存在だが、こうしているだけで確実にこの地球、そして、宇宙にも影響をどんなに少なくとも与えているのだ」と.....。
宇宙の視点で、自分を見つめると何か不思議と「力」が湧いて来るような気がします。

http://www.ginzado.ne.jp/~shinjou/

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