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いろいろであることが自然−丸藤文子さん

いろいろであることが自然−丸藤文子さん  丸藤文子(がんどう あやこ)さんは、中蒲原郡横越町に住むOL。勤め先は新潟市の「ミカ・ユニバーサルデザインオフィス:略称MU(ムー)」という、ちょっと変わった会社だ。何が変わっているかというと、そもそも、「ユニバーサルデザイン」というものをビジネスとして専門に取り組む企業は県内では非常に珍しい。MUは、正確に言えばユニバーサルデザインに関するコンサルタントだが、そういう業態になると県内では他にもう1社あるだけだという。
 丸藤さんの他は、社長と同僚が1人いるだけ。99年の会社設立の時から、社長の片腕として会社を支えてきた。この仕事を始めたのは、専門学校でインテリアコーディネーターの勉強をしていた時、講師をしていた現MU社長の長谷川美香さんと出会ったのがきっかけとなった。その後、当時勤めていた会社を退職。イギリスの友人を訪ねて海外の進んだ都市政策や人々の意識に触れる内、本格的にユニバーサルデザインの道に進むことを決意する。
 「社長には『あなたも経営者なんだよ』と言われる。仕事は大変だけど、楽しいし、常に高いハードルを与えてもらっていることに感謝している。」と丸藤さん。主な業務内容は、土木コンサルタントや建築設計事務所の依頼で公共施設や住宅の設計に対しユニバーサルデザインの視点からコンサルティングを行ったり、福祉住環境コーディネーター講座などの講師をしたり、というもの。悩みは、こうした分野に対する理解が一般に乏しく、採算のとれる仕事がなかなかない、ということ。
 「仕事をしていてよかったと思えるのは、お客様の生活が改善されたり、『元気になった』という声をどこからともなく耳にしたとき。仕事を通していろんな人と出会い、話を聞くのも楽しみのひとつ。その度に『私だったらどうする?』と自分に問いかける。人の言葉って、本当に大切です。」
 3年間ユニバーサルデザインに取り組んできた丸藤さんだが、今、改めてその難しさを感じている。住みやすいまち、住みやすい建物というのは、いわゆる福祉の分野では到底括れるものではない。まして、社会的弱者を特別視して優遇するようなものであってはならない。
 「ユニバーサルデザインは、もっとさりげないもの。年齢、性別、国籍、文化など、世の中にはいろんな人がいるけど、それが自然に思える土壌があればいい。ひょっとすると、それをみんなで考える過程こそがユニバーサルデザインの一番大事なところなんじゃないかと思います。」
 単に「会社のOL」と呼ぶのを憚られるほど、丸藤さんには豊かな公益的視点がある。そもそも、「営利」と「非営利」の境目とは何なのか?とさえ思えてくる。一般に言われる様に、利益をオーナーで配分しないのが非営利組織の定義であるのなら、株主配当を殆どしない日本企業との実質的な違いは何か?
 因みに、丸藤さんは会社の外でNPO法人の運営委員(理事)も務めている。丸藤さんの中では、NPOの職務と会社の仕事との間の垣根は限りなく低い。「形」ではなく「心」。丸藤さんの言葉に従えば、これもまた「ユニバーサルデザインの一番大事なところ」なのだろう。

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